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ルーマニアの世界遺産とドラキュラ伝説~ドナウ・デルタ・オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群・シギショアラ歴史地区・トランシルヴァニア地方の要塞聖堂のある村落群・ホレズ修道院・マラムレシュの木造聖堂群・モルダヴィア地方のモルダヴィア北部の壁画教会群~





ルーマニア 世界遺産 ドラキュラ伝説

ルーマニアの世界遺産とドラキュラ伝説

「ルーマニアと聞くと、皆さんは何を連想しますか?」
「なんでしょうね?」

「ルーマニアと言えば、東ヨーロッパに位置する共和制国家である。南西にセルビア、北西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。首都はブカレスト。」

「「ドラキュラ」のような強烈なものをイメージされる方も多いかも知れませんね。」
「そうですね。」

「最もルーマニアを印象づけているのは、“魔女”たちの存在かも知れませんね。」
「はい。」

「ルーマニアには、ウィッチクラフト(魔女文化)と呼ばれる文化が流通しており、「魔女」が職業として認められていますよ。」
「そうなんですか。」

「ウィッチクラフト(魔女文化)と言えば、魔女の魔術(呪術)、まじない、占い、ハーブ(薬草)などの生薬の技術など、魔女と関連付けられる知識・技術・信仰の集合を指す。魔女術ともいう。」

「占いによって政治を決めたり、何かと魔女の需要が高い国ですよ。」
「はい。」

「日本人のように、魔女に対してオカルトな印象は持っていませんよ。」
「そうなんだ。」

「生活の中で必要な職人として、魔女を認めている風潮が広がっている国ですよ。」
「はい。」

「ドラキュラや魔女以外ですと、「サルマーレ」、「ミティミティ」などの郷土料理が有名ですね。」
「そうなんですか。」

「郷土料理「ミティミティ」と言えば、ルーマニアの典型的な郷土料理として、ミティミティがあげられます。香辛料がよく効いた、豚や羊などでつくるトルコ風ミニハンバーグです。」

「郷土料理「サルマーレ」と言えば、ルーマニアの典型的な郷土料理として、サルマーレ(ルーマニア風ロールキャベツ)があげられます。ロールキャベツとザワークラウトを一緒に煮込んだもので、 酸っぱい味がなんともいえません。」

「しかし、忘れてはいけないのが、「トランシルヴァニア」の存在ですよ。」
「どういうことですか?」

「トランシルヴァニアと言えば、ルーマニア中部・北西部の歴史的地名である。東にはカルパティア山脈、南にはトランシルヴァニアアルプス山脈(南カルパティア山脈)が横たわる。北はウクライナ、西はハンガリー、南西はセルビアに接している。」

「トランシルヴァニアには、中世ヨーロッパの雰囲気が色濃く残っていますよ。」
「はい。」

「そのため、世界遺産として指定されているエリアも多いですよ。」
「そうなんですか。」

「かつての面影を求めて、多くの人がルーマニアの世界遺産へ足を運んでいますよ。」
「はい。」

「たとえば、ルーマニアには七カ所もの世界遺産が存在しますよ。」
「そうなんだ。」

「文化遺産を六カ所保有しており、トランシルヴァニアの地に残る要塞を抱える村落「トランシルヴァニア地方の要塞聖堂のある村落群」や、ブルンコヴェネスク様式の文化遺産「ホレズ修道院」などですね。」
「はい。」

「ホレズ修道院と言えば、ルーマニアのオルテニア地方に存在する世界遺産に登録されたルーマニア正教会の修道院である。」

「ブルンコヴェネスク様式と言えば、ホレズ修道院は、ルーマニアのオルテニア地方に存在する世界遺産に登録されたルーマニア正教会の修道院である。領主コンスタンティン・ブルンコヴェアヌによって設立され、1691年着工、1697年完成、1993年に世界遺産に登録された。領主の名前にちなむ「ブルンコヴェネスク様式」と呼ばれる独創的なデザインの、美しい白い石造りの修道院として知られている。」

「トランシルヴァニアと言えば、ルーマニア中部・北西部の歴史的地名である。東にはカルパティア山脈、南にはトランシルヴァニアアルプス山脈(南カルパティア山脈)が横たわる。北はウクライナ、西はハンガリー、南西はセルビアに接している。」

「モルダヴィア北部にある八カ所もの教会群「モルダヴィア地方の教会群」や、ルーマニア特有の印象的な景観が広がる「マラムレシュの木造聖堂群」、ルーマニアの宝石とも謡われる「シギショアラ歴史地区」、ムルス・ダキクス様式で創られた六カ所の要塞「オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群」など、あらゆるスポットが世界遺産として登録されていますよ。」
「いろいろありますね。」

「オラシュチエ山脈と言えば、ルーマニア中西部、トランシルバニアアルプスの山脈の一つである。」

「ムルス・ダキクス様式と言えば、ムルス・ダキクス(「ダキア人の城壁」)は、ローマ帝国征服以前にダキア王国で発達した城壁や要塞の構築理論である。それは、従来のダキア人の伝統的建築理論と、ギリシャ・ローマ建築や石工術から輸入された理論を混成させたものである。」

「シギショアラ歴史地区と言えば、ルーマニアの世界遺産の一つである。ルーマニア・ムレシュ県の都市シギショアラのうち、トランシルヴァニア・ザクセン人によって12世紀以降に建造されたシタデルの区域に該当する。現在もなお人々が暮らす中世的城塞都市であり、「ルーマニアの宝石」とも称えられるその美しい街並みは、トランシルヴァニア・ザクセン人の850年に及ぶ歴史と文化の例証として、1999年にユネスコの世界遺産に登録された。」

「マラムレシュと言えば、マラムレシュ県は、ルーマニアの県である。県都はバイア・マレ。」

「モルダヴィアと言えば、東ヨーロッパの一角を占める地域の名称である。ルーマニアの東北部、すなわちカルパティア山脈の東、プルート川の西で両者に挟まれた地域にあたり、時にはルーマニア領を越えてプルート川の東にあるドニエプル川を西限とするベッサラビア地方を含めた、さらに広い地域を指す。」

「ありのままの大自然が広がる三角州「ドナウ・デルタ」などの場所も世界遺産(自然遺産)として登録されていますよ。」
「はい。」

「三角州「ドナウ・デルタ」と言えば、ルーマニアのドブロジャと、ウクライナのオデッサ州に位置し、面積3,446平方キロメートルで、ヨーロッパ最大にして、人の手がほとんど入っていない、自然状態の三角州(デルタ)である。」

「豊かな大自然が見られるスポットとして有名ですよ。」
「そうなんだ。」

「ドナウ・デルタには、延々と広がる絶景を求める観光客が途切れなく訪れていますよ。」
「はい。」

「気になる方は、是非チェックしましょう。」
「わかりました。」

「ルーマニアの場合は、トランシルバニアの観光とマラムレシュの歴史を辿る観光ツアーが盛んに行われている国ですよ。」
「はい。」

「マラムレシュの場合は、古くから伝わる木造技術で創られた建築物が多いですよ。」
「はい。」

「主に個性的な建物を見学して回るような旅になりますよ。」
「そうなんだ。」

「建築技術に興味のある方や、のんびりと街を散歩するように観光したい方は、マラムレシュの街を訪問するのが良いかも知れませんよ。」
「はい。」

「ルーマニアを旅する時には、色々と気をつけなければならないこともありますよ。」
「どういうことですか?。」

「ルーマニアには、ドラキュラ伝説が残っていたり魔女が残っていたりと、何かと面白いものが残っている国ですよ。」
「そうなんですか。」

「もう一つ、日本では考えられないものが残っていますよ。」
「それ何ですか?」

「それは何かと言うと、「ジプシー」の風習ですよ。」
「はい。」

「ジプシーと言えば、一般にはヨーロッパで生活している移動型民族を指す民族名である。転じて、様々な地域や団体を渡り歩く者を比喩する言葉ともなっている。外名であり、当人らの自称ではない。」

「日本では漫画やゲーム、歌謡曲などの影響から「ジプシー=自由でスタイリッシュな人々」というイメージがあるようですが、実際は違いますよ。」
「そうなんですか。」

「ルーマニアを観光していると、このジプシーの大人や子供達などが何度も寄ってきますよ。」
「はい。」

「人なつっこいわけではなく、大体の場合「お金が欲しい」、「何か食べ物をくれ」と、しきりに訴えていますよ。」
「そうなんだ。」

「このような人々に遭遇すると、若い人などは可哀想に感じてお金を渡してしまいますね。」
「はい。」

「しかし、これはできるだけ控えるべきだと言えますよ。」
「そうなんですか。」

「なぜなら、「日本人はお金をくれる」ということを覚えると、彼らは他の東洋人にも、しきりにお金をせびるようになってしまいますよ。」
「そうなんだ。」

「酷い場合だと、渡さなかったことが原因で殺されてしまったり、暴力を受けたりしますよ。」
「怖いですね。」

「お腹をすかせている子供の横を素通りするのは、胸が痛むかも知れませんね。」
「そうですね。」

「彼らが自活して生きていく為でもあるので、世界遺産の周辺で見つけたとしてもなるべく無視するようにしましょう。」
「わかりました。」





ルーマニアの世界遺産とドラキュラ伝説~ドナウ・デルタ~

「ルーマニアには、たくさんの文化的スポットや世界遺産がありますね。」
「そうなんですか。」

「ルーマニアと言えば、東ヨーロッパに位置する共和制国家である。南西にセルビア、北西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。首都はブカレスト。」

「中でも、最も印象的な世界遺産は、「ドナウ・デルタ」かも知れませんね。」
「はい。」

「ドナウ・デルタは、1991年にユネスコの世界遺産に指定されましたよ。」
「はい。」

「3446平方キロメートルもの三角州(デルタ)ですよ。」
「そうなんだ。」

「ドナウって何かで聞いたことがあるような…」という方も多いと思われますね。」
「はい。」

「この世界遺産は、「ドナウ川」を世界遺産として包括していますよ。」
「そうなんだ。」

「ドナウ川と言えば、ヴォルガ川に次いでヨーロッパで2番目に長い大河である。」

「ドナウ川の支流は、このドナウ・デルタの付近に延々と流れ込んでいますよ。」
「はい。」

「その支流によって運ばれてきた土や砂は、この世界遺産の周辺に年々積もっているような状態ですよ。」
「はい。」

「しかも、その砂や土は一年に40メートルほどの厚さで堆積を重ねて行き、この世界遺産の範囲を拡大させていますよ。」
「凄いですね。」

「そのような異様な世界遺産なので、人の手はほとんど加えられていませんよ。」
「そうなんだ。」

「ヨーロッパでも、最大規模のデルタですよ。」
「はい。」

「しかし、観光する手段も非常に少なく、観光するには小船を使って行かなければならない世界遺産ですよ。」
「はい。」

「船をこいでくれるのも民間の漁師の方なので、地域交流を楽しみながら観光できますよ。」
「そうですね。」

「あまり人と話さずに観光したいという方には、観光が困難な場所かも知れませんね。」
「そうなんだ。」

「ドナウ・デルタに興味のある方は、地域の人と仲良くなりつつ観光してみましょう。」
「わかりました。」

「この世界遺産を観光するのであれば、一緒にトランシルバニア付近も観光されることをおススメします。」
「はい。」

「トランシルバニアには、オスマントルコからの侵略を防ぐ為に強靱な城壁で村を囲んでいるようなスポットもありますよ。」
「はい。」

「オスマントルコと言えば、オスマン帝国は、テュルク系(後のトルコ人)のオスマン家出身の君主(皇帝)を戴く多民族帝国で、15世紀には現在のトルコの都市イスタンブルを征服して首都とし、17世紀の最大版図は、東西はアゼルバイジャンからモロッコに至り、南北はイエメンからウクライナ、ハンガリー、チェコスロヴァキアに至る広大な領域に及んだ。」

「トランシルバニア周辺を歩けば、ドナウ川周辺の当時の文化により深く触れることができますよ。」
「そうなんだ。」

「どのツアーに参加しても、世界遺産を中心とした観光になりますよ。」
「はい。」

「トランシルバニアなどの町並みや三角州の周辺は、ルーマニアの内部でもきわめて人気の高いスポットとされていますよ。」
「はい。」

「歩いているだけで、楽しい気分になりますよ。」
「そうなんだ。」

「ルーマニアの世界遺産を観光するのであれば、上記の2カ所は非常におススメですね。」
「わかりました。」

「この海の周辺には3000種類以上もの魚類が棲息していますよ。」
「多いですね。」

「魚釣りをしたり、水辺で遊んだりとのんびり過ごせるようになっていますよ。」
「そうなんだ。」

「「ルーマニアの田舎でのんびり過ごしたい」という方には、ドナウ川周辺のスポットが向いているかも知れませんね。」
「なるほど。」





ルーマニアの世界遺産とドラキュラ伝説~オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群~

「「オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群」は、ルーマニアの南部に位置する古代の要塞跡で、紀元前1世紀から紀元後1世紀にかけての遺跡ですね。」
「はい。」

「オラシュチエ山脈と言えば、ルーマニア中西部、トランシルバニアアルプスの山脈の一つである。」

「ルーマニアと言えば、東ヨーロッパに位置する共和制国家である。南西にセルビア、北西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。首都はブカレスト。」

「「ルーマニア」という国名の由来は、「ローマ人の国」とも言われていますよ。」
「そうなんですか。」

「この地は、1世紀にローマ帝国に征服されましたね。」
「そうなんだ。」

「そのため、現在でも東欧でただ一つのラテン文化の国とされていますよ。」
「そうなんですか。」

「ラテン文化と言えば、ラテン人は民族文化の基盤である言語に関して、インド・ヨーロッパ語族に属するイタリック語派の一派であるラテン語を使用した。イタリック系言語は主に西イタリック語と東イタリック語に分かれており、ラテン語は西イタリック語に含まれる。」

「言語も、スラブ系の言語に囲まれながらも、ルーマニア語だけはイタリア語、フランス語、スペイン語と似ているラテン語系の言語ですね。」
「なるほど。」

「ラテン語系の言語と言えば、ラテン人は民族文化の基盤である言語に関して、インド・ヨーロッパ語族に属するイタリック語派の一派であるラテン語を使用した。イタリック系言語は主に西イタリック語と東イタリック語に分かれており、ラテン語は西イタリック語に含まれる。」

「スラブ系の言語と言えば、スラヴ語派は、インド・ヨーロッパ語族バルト・スラヴ語派の一派で、スラヴ系諸民族が話す言語の総称である。かつては単一民族としてのスラヴ人に話される「スラヴ祖語」が存在したと想定されるが、スラヴ人の民族大移動の頃(5~6世紀)から方言的分化が進み、次第に各語群が独自の特徴を明確にし始め、12世紀には単一言語としての統一は完全に失われた。」

「ローマ人の征服前にも、この地には「ダキア(またはダチア)人」という民族が居住していましたよ。」
「はい。」

「ダキア(またはダチア)人と言えば、ダキアとは、古代中央ヨーロッパの一地域で、ダキア人とゲタエ人が居住していた地域を指す。ほぼ現在のルーマニアの国土(より正確には「大ルーマニア」と呼ばれた時代の国土)にあたり、東はティサ川、西はハンガリー、南はドナウ川、北はカルパチア山脈の森林地帯までの地域となる。」

「このダキア人が、ローマ帝国の攻撃に備えるために作ったのが、世界遺産の「オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群」ですよ。」
「そうなんだ。」

「「ダキア(またはダチア、ルーマニア語でDACIA)」は、自動車メーカーの社名としても知られていますね。」
「はい。」

「自動車メーカー「ダキア(またはダチア、ルーマニア語でDACIA)」と言えば、ダチア (Dacia) はルノーグループのルーマニアの自動車メーカーである。社名の由来はルーマニアの旧称「ダキア」から。」

「こちらは要塞なので、当然侵略されにくい場所として、オラシュチエ山脈内に建設されましたよ。」
「はい。」

「現在でも、アクセスの難しい場所ばかりですよ。」
「そうなんだ。」

「公共交通機関ではなく、車で行かなければなりませんよ。」
「はい。」

「しかし、そのために、人里離れた美しい自然の中に残る遺跡は、神秘的とも言える雰囲気を漂わせていますよ。」
「そうなんですか。」

「世界遺産に登録されたのは、6つの要塞ですね。」
「はい。」

「サルミゼゲトゥサ(Sarmisegetusa)、バニツァ(Banita)、カプルナ(Capalna)、コステシティ・チェタツヤ(CostestiCetatuia)、コステシティ・ブリダル(CostestiBlidaru)、ルンカニ・ピャトラ・ロシエ(Luncani-PiatraRosie)などですね。」
「そうなんだ。」

「要塞「ルンカニ・ピャトラ・ロシエ(Luncani-PiatraRosie)」と言えば、ルンカニ・ピャトラ・ロシエ砦は、標高832mのピャトラ・ロシエ山の上にあります。ロシエとは、ルーマニア語で「赤」を意味します。酸化鉄が豊富な土壌なので、遠くから見ると山全体が赤く見えます。発掘されたのは1949年。砦の形は正方形で、長い側面は100m、短い側面は40~45mです。」

「要塞「コステシティ・ブリダル(CostestiBlidaru)」と言えば、コステシティ・ブリダル砦は、標高705mの段々畑の山の上にあり、遠くまでよく監視できる場所です。この砦は、2つの場所を互いに繋ぐ形で造られていました。2つともに天守閣がありましたが、その一つは武器倉庫の役割を持っていたようです。貯水施設もあったこの砦は、軍事拠点だったのです。」

「要塞「コステシティ・チェタツヤ(CostestiCetatuia)」と言えば、コステシティ・チェタツヤ砦は、標高561mのチェタツヤ山頂にあり、80年ほど前に発掘されました。紀元前2世紀の後半の遺跡です。堅固な城壁に囲まれた内部には、貯水施設や4つの殿堂、そして天守閣もあり、近くには2つの守備隊の施設がありました。」

「要塞「カプルナ(Capalna)」と言えば、カプルナ砦は、セベシュ市から10kmの、サスチョリ郡カプルナ村にあります。紀元前106年時代の砦の各部が、20世紀に入り発見されています。城壁は山の岩を利用して作られ、内部の一番高いところには岩の台があり、上に監視所がありました。」

「要塞「バニツァ(Banita)」と言えば、バニツァ砦は、ペトロシャニ市から11km離れた、バニツァ村のデァルボリー山の上にあります。この砦は、ダキア国のブレビスタ王時代から残っています。中に入るには北向きの側面にまわるしかなく、ほかの3つの側面は、急傾斜の山に守られる堅固な要塞です。」

「要塞「サルミゼゲトゥサ(Sarmisegetusa)」と言えば、サルミセジェツザ砦のある、グラディシュテ山頂は、かつてのダキアの首都である。現存する砦は城壁に囲まれ、中心部はおよそ3ヘクタール。」

「歴史上特に重要なサルミゼゲトゥサには、山の上の開けた場所にぽっかりと、まるでストーンヘンジのような円形の石柱がきれいに並んでいますよ。」
「はい。」

「ストーンヘンジと言えば、ロンドンから西に約200kmのイギリス南部・ソールズベリーから北西に13km程に位置する環状列石(ストーンサークル)のことである。現在のイギリス人、アングロ・サクソン人がブリテン島に移住した時にはすでに存在していた。」

「要塞「サルミゼゲトゥサ(Sarmisegetusa)」と言えば、サルミセジェツザ砦のある、グラディシュテ山頂は、かつてのダキアの首都である。現存する砦は城壁に囲まれ、中心部はおよそ3ヘクタール。」

「ここは聖域だっただけでなく、居住地としても使用されていましたよ。」
「そうなんだ。」

「舗装道路や陶器製の水道網などがあり、こんな場所に?と思えるほど高い技術水準がうかがわれますよ。」
「そうなんですか。」

「このサルミゼゲトゥサは、ローマ皇帝トラヤヌスによる最終的な攻撃を受けた所ですよ。」
「はい。」

「ローマ皇帝トラヤヌスと言えば、ローマ帝国の皇帝(在位:98年 - 117年)で、ネルウァ=アントニヌス朝の第2代皇帝である。文武の両面で辣腕を揮い、帝国内の公共施設の強化と領土の拡大に成功した。特に対外面ではダキア・パルティアで功績をあげ、ローマ帝国史上最大の版図を現出した。」

「この戦いで、ダキア王デチェバルは自害に追い込まれましたよ。」
「はい。」

「ダキア王デチェバルと言えば、101年、ローマ帝国の皇帝トラヤヌスが、ダキアを征服するためにダキア戦争を始めた。106年、ダキアの王デケバルス(デチェバル)が自殺し、トラヤヌス帝の支配下のローマ帝国がダキアを征服した。」

「その結果、ダキアがローマ帝国の属州になることが決まりましたよ。」
「そうなんだ。」

「このサルミゼゲトゥサの要塞のある山を下りたサルミゼゲトゥサの町には、ローマ人の遺跡も保存、公開されていますよ。」
「はい。」

「サルミゼゲトゥサの町と言えば、サルミゼゲトゥサは、古代ダキア人による軍事・宗教・政治上の最も重要な古代都市である。1200メートルの高地に建設され、狭隘なオラシュチエ山脈の立地を生かした6箇所の要塞群の一つでもあり、戦術的な防衛システムが設置されていた。」

「小規模ながらも他のローマ遺跡と同様、円形劇場や神殿も見られますよ。」
「そうなんですか。」

「この世界遺産は、アクセスが難しいですよ。」
「それは大変ですね。」

「専門知識のあるプロのガイドさんと一緒に行くことをおススメします。」
「わかりました。」





ルーマニアの世界遺産とドラキュラ伝説~シギショアラ歴史地区~

「シギショアラの街は、首都のブカレストから300km北西、ルーマニア中央部のトランシルバニア地方ムレシュ県にありますね。」
「はい。」

「ルーマニア中央部のトランシルバニア地方ムレシュ県と言えば、ルーマニア中央部の県である。トランシルヴァニア地方に含まれ、県都はトゥルグ・ムレシュ。東はハルギタ県と、西はアルバ県とクルージュ県と、北はビストリツァ=ナサウド県、スチャヴァ県と、南はシビウ県、ブラショフ県と接する。」

「首都のブカレストと言えば、ルーマニアの首都で同国最大の都市である。ブカレストはルーマニア南東部にあり、ドゥンボヴィツァ川河畔の都市でルーマニアの文化、産業、金融の中心都市である。」

「シギショアラの街と言えば、ルーマニア、ムレシュ県の都市である。トランシルヴァニア地方の歴史ある地域にあり、シギショアラ歴史地区はユネスコの世界遺産に登録されている。」

「ルーマニアと言えば、東ヨーロッパに位置する共和制国家である。南西にセルビア、北西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。首都はブカレスト。」

「シギショアラの街は、中世ヨーロッパのたたずまいを現代に伝えていますよ。」
「そうなんですか。」

「トランシルバニアとは、ラテン語で森の彼方という意味ですよ。」
「はい。」

「ヘアピンカーブを描くカルパチア山脈に抱かれた、高地のような地方ですね。」
「はい。」

「カルパチア山脈と言えば、中央ヨーロッパ・東ヨーロッパの山脈である。主にスロバキア、ポーランド、ウクライナ、ルーマニアと、周辺のチェコ、ハンガリー、セルビアにまたがっており、全長約1500km。」

「12世紀にハンガリー国王に招聘され、トランシルバニア地方に入植した、ドイツ人が造り上げた城塞都市の一つが、シギショアラの街ですよ。」
「そうなんですか。」

「中世ドイツの典型的な建築様式を今に伝え、12世紀に建造された城砦地区は、「シギショアラ歴史地区」として、1999年に「世界遺産」に登録されましたよ。」
「はい。」

「シギショアラ歴史地区と言えば、ルーマニアの世界遺産の一つである。ルーマニア・ムレシュ県の都市シギショアラのうち、トランシルヴァニア・ザクセン人によって12世紀以降に建造されたシタデルの区域に該当する。現在もなお人々が暮らす中世的城塞都市であり、「ルーマニアの宝石」とも称えられるその美しい街並みは、トランシルヴァニア・ザクセン人の850年に及ぶ歴史と文化の例証として、1999年にユネスコの世界遺産に登録された。」

「シギショアラの街は、旧市街と新市街を合わせ、32,500ほどの人口ですよ。」
「はい。」

「現在のドイツのザクセン地方、当時のザクセン公国からの入植者は、ハンガリー国王の招聘でこの地に移民してきましたよ。」
「はい。」

「ザクセン公国と言えば、中世から近世にかけて北部ドイツ地方一帯を支配した領邦である。その版図はおおむね現在のドイツのザクセン州、ニーダーザクセン州、ノルトライン=ヴェストファーレン州、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州、ザクセン=アンハルト州にあたる。1806年の神聖ローマ帝国の解体によってザクセン王国となった。」

「ドイツのザクセン地方と言えば、ザクセン自由州は、ドイツに16ある連邦州の1つである。1990年のドイツ再統一により加盟した5つの新連邦州の1つ。州都はドレスデン。ザクセン州はドイツの東の端にあり、南はチェコ、東はポーランドと接している。」

「その目的は、東方の侵略者からヨーロッパを防衛する任務を遂行するためですよ。」
「そうなんだ。」

「ドイツ人は、トランシルバニア地方をジーベンビュルゲンと呼びますよ。」
「はい。」

「これはドイツ語で7つの城塞都市という意味がありますね。」
「そうなんですか。」

「当時、彼らが入植し築いた都市は合計7つあった事に由来しますよ。」
「なるほど。」

「結果的に、13世紀の半ばのモンゴル騎馬民族の欧州侵攻に際して、ハンガリーの地は壊滅的な被害に見舞われましたよ。」
「そうなんだ。」

「その際のザクセン人たちの、勇敢な戦いぶりは後世に伝えられていますよ。」
「はい。」

「ザクセン人と言えば、サクソン人またはザクセン人は、現在のイングランド人の民族形成の基盤を成し、ドイツのニーダーザクセン地方を形成する主体となったゲルマン系の部族である。」

「ヨーロッパは、地球上の陸地の1/4を支配した、屈強なモンゴル帝国に破壊しつくされましたよ。」
「そうなんだ。」

「その影響で、ヨーロッパは、ますます防衛姿勢を深めていき、城砦はより堅牢な造りに、進化を遂げて行きましたよ。」
「はい。」

「シギショアラの街は、デアルチェタツィーというなだらかな丘上にありますよ。」
「はい。」

「デアルチェタツィーと言えば、シギショアラの街は、デアルチェタツィーというなだらかな丘上にあります。丘陵の緑と、赤茶けたレンガ色の屋根、建物の黄土色の壁が、絶妙なコントラストを見せています。」

「丘陵の緑と、赤茶けたレンガ色の屋根、建物の黄土色の壁が、絶妙なコントラストを見せていますよ。」
「そうなんだ。」

「遠景で眺めると、一枚の絵葉書のようですよ。」
「綺麗ですね。」

「「世界遺産」登録後、ますます訪れる人が増えていますよ。」
「そうなんだ。」

「街が持つ素朴で落ち着いた静かな雰囲気が変わらないのも、魅力ですね。」
「はい。」

「シギショアラ歴史地区の城門を一歩くぐると、そこはもう中世ヨーロッパの世界ですよ。」
「いいですね。」

「街のシンボルである64メートルの高さの時計塔が姿を現し、時刻を打つと、からくり人形が踊りだしますよ。」
「そうなんだ。」

「ドイツの城壁都市ローテンブルグ等にも、からくり時計がありますよ。」
「はい。」

「ドイツの城壁都市ローテンブルグと言えば、ローテンブルクは、「古城街道」と「ロマンチック街道」の交差する所にある、中世のままの町並みが見事に保存されている町である。この市街は一部第2次世界大戦で破壊されたが、その後時間をかけて復元され、現在は15世紀から変わらぬ情景をもたらしている。ローテンブルクは町そのものが城塞で、いわゆる城壁都市というものである。」

「木骨組みの建物のつくり、城壁に造られた装飾をほどこした塔、このからくり時計などは、ドイツの人の緻密な器用さと、独特のデザイン感覚が思い起こされますね。」
「そうなんだ。」

「街には多くの見ものがありますよ。」
「そうなんですか。」

「中世の拷問器具を展示した、拷問博物館や大工の塔も興味深い場所ですよ。」
「わかりました。」

「シギショアラの街は、ルーマニアが産んだドラキュラ伯爵の生誕地ですよ。」
「そうなんですか。」

「ドラキュラ伯爵と言えば、ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」(1897年)の主人公である。生き血を求め、夜中に人を襲う。モデルとされるブラド・ツェペシュ公は、15世紀に実在したワラキア公国(現ルーマニア)の領主。敵に残虐な刑を科したため、「串刺し公」の異名を持つ。」

「ルーマニアと言えば、東ヨーロッパに位置する共和制国家である。南西にセルビア、北西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。首都はブカレスト。」

「吸血鬼ドラキュラのモデルとなったのは、ワラキア公ヴラドⅢ世、通称串刺し公ですね。」
「はい。」

「ワラキア公ヴラドⅢ世(通称串刺し公で)と言えば、ワラキア公ヴラド3世(1431年11月10日 - 1476年12年19日)、通称ドラキュラ公または串刺し公は、15世紀のワラキア公国の君主。諸侯の権力が強かったワラキアにあって中央集権化を推し進め、オスマン帝国と対立した。」

「吸血鬼ドラキュラと言えば、『吸血鬼ドラキュラ』は、1958年のイギリスのハマー・フィルム・プロダクション製作の映画である。ブラム・ストーカー原作の『吸血鬼ドラキュラ』の映画化。ホラー映画史上屈指の傑作として名高い。」

「ヴラドⅢ世は、この「世界遺産」の街の邸宅で1431年に、生まれましたよ。」
「はい。」

「現在、その邸宅は、レストラン“VladDracul“として営業されていますよ。」
「そうなんですか。」

「ワラキア公ヴラドⅢ世は、勇敢かつ残忍な支配者でしたよ。」
「そうなんだ。」

「ワラキア公ヴラドⅢ世(通称串刺し公で)と言えば、ワラキア公ヴラド3世(1431年11月10日 - 1476年12年19日)、通称ドラキュラ公または串刺し公は、15世紀のワラキア公国の君主。諸侯の権力が強かったワラキアにあって中央集権化を推し進め、オスマン帝国と対立した。」

「ワラキアに攻め入ったオスマントルコの捕虜達を、片っ端から串刺しにして敵の戦意を衰えさせ、見事撃退したルーマニアの英雄ですよ。」
「そうなんだ。」

「オスマントルコと言えば、オスマン帝国は、テュルク系(後のトルコ人)のオスマン家出身の君主(皇帝)を戴く多民族帝国で、15世紀には現在のトルコの都市イスタンブルを征服して首都とし、17世紀の最大版図は、東西はアゼルバイジャンからモロッコに至り、南北はイエメンからウクライナ、ハンガリー、チェコスロヴァキアに至る広大な領域に及んだ。」

「ヴラド・ドラクルには、ドラキュラにちなんだメニューがいくつかありますよ。」
「はい。」

「その一つの「血のスープ」は、とても有名ですよ。」
「そうなんですか。」

「一方、ルーマニアの国民的料理は、サルマーレですね。」
「はい。」

「挽肉に微塵切りしたタマネギを混ぜ合わせて、キャベツの漬物で巻きトロトロ煮込むロールキャベツに似た料理ですね。」
「はい。」

「これがとても美味しいですよ。」
「そうなんだ。」

「他にも煮込み料理が沢山ありますよ。」
「はい。」

「シチュー好きにはたまらないグルメが期待できそうですね。」
「はい。」

「飲み物はビールやワインの生産国なので、是非ルーマニアブランドを注文してください。」
「わかりました。」

「小麦の生産国であり、パンがとても美味しいのも特徴ですね。」
「はい。」

「デザートには小麦を練った生地にチーズを練りこんであげたドーナツに、ジャムやチーズでコーティングしたパパナシュがおススメですよ。」
「わかりました。」

「小麦を練った生地にチーズを練りこんであげたドーナツに、ジャムやチーズでコーティングしたパパナシュと言えば、デザートには小麦を練った生地にチーズを練りこんであげたドーナツに、ジャムやチーズでコーティングしたパパナシュがお奨めです。」

「腹ごしらえが終わったら、175段の屋根付き階段を登って、14世紀創建の「山上教会」へ行きましょう。」
「はい。」

「山上教会と言えば、旧市街の最高地点に建っています。シギショアラの旧市街全体が丘の上にありますが、そのなかでも山上教会は旧市街最南端の山の上にあり、そこへ行くには屋根付きの階段を登っていくしかありません。」

「「山上教会」は、ザクセン人入植者の宗教であるルーテル教会で、初期ゴシック様式で、建てられていますよ。」
「そうなんだ。」

「初期ゴシック様式と言えば、12世紀初頭に、パリ近郊のサン・ドニ修道院聖堂で東端部を改造する際、台形や多角形の平面に石造ヴォールト天井を架ける方法として、尖りアーチが発明された。強弱交互の柱、六分リブヴォールト、四層構成が初期ゴシック建築の特徴である。12世紀中期のパリを中心とする北フランスで開始され、ラン大聖堂やパリ大聖堂が代表的。」

「ルーテル教会と言えば、マルティン・ルターによりドイツに始まる、キリスト教の教派または教団である。ルター派とも呼ばれる。プロテスタントの一つであり、全世界に推定8260万人の信徒が存在する。発祥の地ドイツを始め、北欧諸国では国民の大半がルター派であり、そこから移民が渡った先のアメリカ合衆国、カナダ、ブラジル等の南アメリカ各国でも信徒数が多い。」

「教会の前にはドイツ人墓地がありますよ。」
「はい。」

「12世紀から13世紀にかけて入植したドイツ人たちの子孫は、トランシルバニアザクセン人と呼ばれ、少数民族を形成していますよ。」
「そうなんですか。」

「このシギショアラの街には、500人程度の人が住んでいますよ。」
「少ないですね。」

「「世界遺産」であるシギショアラ歴史地区は、歩いて全部回ることができますよ。」
「いいですね。」

「石畳の小道を歩いていくと、素敵な被写体が至る所で、目に飛び込んでくるような素敵な街ですよ。」
「はい。」

「ホテルも城砦の中に幾つかありますよ。」
「はい。」

「中世の時代そのままの洋館に、宿泊できるチャンスでもありますよ。」
「いいですね。」

「夜になると、町の広場や時計塔が美しくライトアップされ、昼間とは違った顔を見せてくれますよ。」
「そうなんですか。」

「ルーマニアの宝石と形容される中世の街で、東欧の「世界遺産」を、満喫しましょう。」
「わかりました。」





ルーマニアの世界遺産とドラキュラ伝説~トランシルヴァニア地方の要塞聖堂のある村落群~

「世界遺産のあるルーマニアのトランシルヴァニア地方は、ラテン語で「森の向こう」という意味ですよ。」
「そうなんですか。」

「トランシルヴァニアと言えば、ルーマニア中部・北西部の歴史的地名である。東にはカルパティア山脈、南にはトランシルヴァニアアルプス山脈(南カルパティア山脈)が横たわる。北はウクライナ、西はハンガリー、南西はセルビアに接している。」

「ルーマニアと言えば、東ヨーロッパに位置する共和制国家である。南西にセルビア、北西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。首都はブカレスト。」

「ルーマニア語では、「アルデアル(丘の向こう)」と呼ばれていますよ。」
「はい。」

「首都ブカレストのあるワラキア地方からは、カルパチア山脈を超えた向こうにある地域で、歴史的にも異なる経過をたどっていますよ。」
「どういうことですか。」

「ワラキア地方と言えば、ルーマニア南部の地方名である。ルーマニアの首都ブカレストがある地域で、かつては14世紀に建国されたワラキア公国があった。ここでは、古代に始まり、モルダヴィアと統合してルーマニア王国が成立するまでのワラキアの歴史を主に記す。」

「カルパチア山脈と言えば、中央ヨーロッパ・東ヨーロッパの山脈である。主にスロバキア、ポーランド、ウクライナ、ルーマニアと、周辺のチェコ、ハンガリー、セルビアにまたがっており、全長約1500km。」

「首都のブカレストと言えば、ルーマニアの首都で同国最大の都市である。ブカレストはルーマニア南東部にあり、ドゥンボヴィツァ川河畔の都市でルーマニアの文化、産業、金融の中心都市である。」

「トランシルバニア地方は、その名の通り西ヨーロッパから見ると辺境の地ですよ。」
「はい。」

「元々はキリスト教とイスラム教の境界にあり、オスマン帝国やタタール人の襲撃に幾度もあった地域でしたよ。」
「はい。」

「タタール人と言えば、主にロシア・CIS諸国(旧ソ連)に居住するテュルク系民族である。タタールという名は、もともとキプチャク・ハン国支配期のロシア人によって東方・南方の草原地帯に住むモンゴル帝国のモンゴル系・テュルク系の人々を漠然と指す民族名称であった。ロシア帝国の拡大とともにロシア支配下の旧キプチャク・ハン国系のテュルク系ムスリム(イスラム教徒)の人々を指す語に転じ、やがて自称としても用いられるようになった。」

「オスマン帝国と言えば、テュルク系(後のトルコ人)のオスマン家出身の君主(皇帝)を戴く多民族帝国で、15世紀には現在のトルコの都市イスタンブルを征服して首都とし、17世紀の最大版図は、東西はアゼルバイジャンからモロッコに至り、南北はイエメンからウクライナ、ハンガリー、チェコスロヴァキアに至る広大な領域に及んだ。」

「中世にこの地域を支配したハンガリー王は、異教徒の侵略に備える最前線として、カルパチア山脈を超えたすぐ手前のトランシルバニア地方にザクセン人(ルーマニア語でサシ)と呼ばれるドイツ系住民を移民させましたよ。」
「そうなんだ。」

「彼らは、本来、経済活動を主とした移民でしたよ。」
「はい。」

「しかし、異教徒の襲来から身を守るために、街を教会を中心とした要塞へと整備していきましたよ。」
「はい。」

「ドイツ系入植者の作った街ですね。」
「そうなんだ。」

「街の作りもドイツ風で教会も、ルーマニア系住民の信仰する東方正教の教会ではなく、高い塔と聖堂を持つ福音派教会ですよ。」
「はい。」

「高い塔と聖堂を持つ福音派教会と言えば、ルーマニアのトランシルヴァニア地方は、ドイツ系入植者の作った街ですから、街の作りもドイツ風で教会もルーマニア系住民の信仰する東方正教の教会ではなく、高い塔と聖堂を持つ福音派教会です。」

「ルーマニア系住民の信仰する東方正教の教会と言えば、東方教会は今日「正教会」(オーソドックス、ギリシャ正教会)と呼ばれています。正教会は、ギリシャ正教会とも呼ばれますが、ロシア正教会・ルーマニア正教会・ブルガリア正教会・グルジア正教会など、国名・地域名を冠した正教会に分かれています。」

「その中で、世界遺産に指定されているのは、ビエルタン要塞教会、プレジュメル要塞教会、ヴィスクリ要塞教会、カルニク要塞教会 、サスキズ要塞教会、ヴァレア・ヴィイロル要塞教会などですね。」
「いろいろありますね。」

「ヴァレア・ヴィイロル要塞教会と言えば、13世紀にロマネスク様式で建てられた規模の大きい要塞で、現在、歴史・宗教記念物の指定を受けています。15~16世紀に、高さ8mの分厚い城壁や監視用の天守閣などの防備が増強されました。」

「サスキズ要塞教会と言えば、サスキズの要塞教会の見張り塔は、シギショアラの時計塔と同じ建築家が手がけたということです。サスキズの中心にあるゴシック風の教会は1493年に建てられ、現在は修復されています。教会の上まで階段で上れるようになっています。」

「カルニク要塞教会と言えば、セベシュ市から13km、アルバ県のカルニク村にあります。1200年前後創建と見られるこの教会が、最初に記録に登場するのは1267年。上から眺めると城壁に囲まれた要塞の楕円の形が見て取れます。主な建築物は、住居用の4階建てのスィグフリド塔と、一つのチャペル、2ケ所の天守閣。」

「ヴィスクリ要塞教会と言えば、評価の高い要塞です。教会はホールのような形で、東側に合唱団用の建物が、西側には大きな塔があります。教会の中には、ロマネスク様式のアーチ、聖壇、彫刻などの美術作品が残り、城壁には、3つの天守閣と2つの稜堡があります。」

「プレジュメル要塞教会と言えば、白く高いがっちりとした高さ12メートルの城壁に囲まれています。その壁の内側には避難してきた住民たちが住むための部屋がアパートのように250も作られています。壁の内側は、回廊になっていて、1周出来るようになっています。」

「ビエルタン要塞教会と言えば、ビエルタンは、ルーマニアのトランシルヴァニア地方シビウ県に属するコミューンである。ビエルタンにあるゴシック様式の要塞聖堂を持つ村落は、「トランシルヴァニア地方の要塞聖堂のある村落群」としてユネスコの世界遺産に登録されている。中世に建造された要塞聖堂は、丘の上に建てられた聖堂と城壁から成る。聖堂はhalle型で、建造物群の中心にある。」

「トランシルバニア地方は、20世紀初めまでハンガリー王の支配する地域でしたよ。」
「はい。」

「トランシルバニアのハンガリー系住民(ルーマニア語でセクイ)が築いた街にも、要塞化したものがありますよ。」
「そうなんだ。」

「その中で世界遺産に指定されているのは、ユニテリアン派のダルジュ要塞教会ですね。」
「はい。」

「ダルジュ要塞教会と言えば、ルーマニア、トランシルヴァニアにある要塞教会の一つである。ユニテリアン派のダルジュ要塞教会です。」

「ユニテリアン派と言えば、ユニテリアン主義とは、キリスト教で伝統的に用いられてきた三位一体(父と子と聖霊)の教理を否定し、神の唯一性を強調する主義の総称をいう。歴史的には、ユニテリアンはイエス・キリストを宗教指導者としては認めつつも、その神としての超越性は否定する。」

「要塞教会は高い壁に囲まれ、戦略的な目的から見張り塔や武器庫が備わっていますよ。」
「はい。」

「数か月の籠城に耐えるよう食糧庫や家畜小屋があり、学校施設が整えられている所もありますよ。」
「そうなんですか。」

「壁を厚くしアパートのような住居にした要塞教会もあり、当時の建築技術の高さがしのばれますね。」
「そうなんだ。」

「このような要塞教会を中心とした村々が、世界遺産の一つ、「 トランシルヴァニア地方の要塞聖堂のある村落群」ですね。」
「はい。」

「要塞教会を持つ村は、多い時で300から600ほども存在したと言われていますよ。」
「多いですね。」

「世界遺産として、6つのザクセン系要塞教会、1つのセーケイ系要塞教会が登録されていますよ。」
「はい。」

「セーケイ系要塞教会と言えば、世界遺産としてドイツ系 移民(トランシルヴァニア・ザクセン人)が築いたものが6教会、ハンガリア系移民(セーケイ人)が築いたもの1教会が登録されています。今でもザクセン系、セーケイ系を合わせて150くらいの要塞教会が残っています。」

「ザクセン系要塞教会と言えば、要塞教会を持つ村は、多い時で300から600ほども存在したと言われています。世界遺産としてドイツ系 移民(トランシルヴァニア・ザクセン人)が築いたものが6教会、ハンガリア系移民(セーケイ人)が築いたもの1教会が登録されています。今でもザクセン系、セーケイ系を合わせて150くらいの要塞教会が残っています。」

「今でもザクセン系、セーケイ系を合わせて150くらいの要塞教会が残っていますよ。」
「はい。」

「小さな村に数少なくなったザクセン系のお年寄りが集まってミサを行っている要塞教会もありますよ。」
「そうなんだ。」

「朽ち果てて修復されるのを待っている要塞教会もありますよ。」
「はい。」

「トランシルバニア地方は、ヨーロッパの中世の自然や暮らしが垣間見られる、大変美しい所ですよ。」
「そうなんだ。」

「この地をめぐる旅は、ユニークで奥深いものになるでしょう。」
「わかりました。」





ルーマニアの世界遺産とドラキュラ伝説~ホレズ修道院~

「「ホレズ修道院」はルーマニアの世界遺産で、ルーマニア正教を代表する宗教建築の一つですね。」
「はい。」

「ルーマニア正教と言えば、ルーマニア正教会は、正教会に属する独立教会のひとつである。かつてはコンスタンディヌーポリ総主教庁の管轄下にあったが、19世紀末に独立教会となった。ルーマニアに住むルーマニア人の大多数を信者とする(2002年の統計によれば約2千万人)。現在、正教会において、信徒数第2位を誇る(1位はロシア正教会)。」

「ホレズ修道院と言えば、ルーマニアのオルテニア地方に存在する世界遺産に登録されたルーマニア正教会の修道院である。」

「ルーマニアと言えば、東ヨーロッパに位置する共和制国家である。南西にセルビア、北西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。首都はブカレスト。」

「世界遺産「ホレズ修道院」は、17世紀にこの地の領主であるブルンコヴェアヌにより建設されましたよ。」
「はい。」

「領主であるブルンコヴェアヌと言えば、ホレズ修道院は、1697年にこの地を統治した領主コンスタンティン・ブルンコヴェアヌ によって創立された修道院である。」

「この修道院の建築様式も、設立者にちなんでブルンコヴェネスク様式と呼ばれていますよ。」
「はい。」

「ブルンコヴェネスク様式と言えば、ホレズ修道院は、ルーマニアのオルテニア地方に存在する世界遺産に登録されたルーマニア正教会の修道院である。領主コンスタンティン・ブルンコヴェアヌによって設立され、1691年着工、1697年完成、1993年に世界遺産に登録された。領主の名前にちなむ「ブルンコヴェネスク様式」と呼ばれる独創的なデザインの、美しい白い石造りの修道院として知られている。」

「外観は、清楚な白い石造りで一見シンプルですが、細かな彫刻やその陰影によって、美しく品のいい佇まいをしていますよ。」
「そうなんですか。」

「しかし、内部は一転して、目が覚めるような青を基調としたカラフルなフレスコ画で壁も天井も埋め尽くされていますよ。」
「いいですね。」

「フレスコ画と言えば、フレスコは絵画技法のひとつである。この技法で描かれた壁画をフレスコまたはフレスコ画と呼ぶ。西洋の壁画などに使われる。語源はイタリア語の "fresco" (「新しい」「新鮮な」という意味)である。」

「このフレスコ画は、宗教上の教えを目に見えるようにしたものですよ。」
「そうなんだ。」

「キリストの生涯や宗教上の有名な場面をモチーフにしていますよ。」
「はい。」

「フレスコ画をたどっていくと、ルーマニア正教の教えが少しずつ理解できますよ。」
「そうなんだ。」

「こちらの修道院は、周囲の回廊状の建物がゲストハウスになっていますよ。」
「はい。」

「シンプルですが、清潔で気持ちがいい部屋ですよ。」
「そうなんだ。」

「宿泊には夕食と朝食がついており、食事は食堂でとりますよ。」
「はい。」

「修道士の方がいらっしゃれば、お話をしながら食事をとるのもいいですね。」
「そうですね。」

「この食堂にも、素晴らしいフレスコ画が描かれていますよ。」
「はい。」

「キリスト教徒でなくても、神聖な気持ちで食事をすることができるでしょう。」
「はい。」

「一つ気をつけたいのが、宿泊の時期ですね。」
「どういうことですか。」

「イースターやクリスマスの前は、ルーマニア正教の信者は動物性の食品を食べてはいけないことになっていますよ。」
「そうなんですか。」

「そのため、この期間の食事は、肉のない野菜中心のものになりますよ。」
「そうなんだ。」

「こちらで食べられる物のほとんどの食材を修道院やその周辺で自給自足しているそうですよ。」
「はい。」

「滋味豊かな美味しい食事を味わえますよ。」
「はい。」

「もう一つ、修道院でぜひ体験していただきたいのは、トアカという木の板を打つ音ですよ。」
「どういうことですか。」

「トアカという木の板と言えば、オスマントルコの支配の名残で、礼拝の時間を知らせるために、鐘ではなくトアカという木の板を打つそうです。軽やかでリズミカルな音は、まるで音楽のようです。」

「オスマントルコの支配の名残で、礼拝の時間を知らせるためには鐘ではなく、トアカを打つそうですよ。」
「はい。」

「オスマントルコと言えば、オスマン帝国は、テュルク系(後のトルコ人)のオスマン家出身の君主(皇帝)を戴く多民族帝国で、15世紀には現在のトルコの都市イスタンブルを征服して首都とし、17世紀の最大版図は、東西はアゼルバイジャンからモロッコに至り、南北はイエメンからウクライナ、ハンガリー、チェコスロヴァキアに至る広大な領域に及んだ。」

「軽やかでリズミカルな音はまるで音楽のようで、運が良ければ見学中にこの音が聞けるでしょう。」
「期待しています。」

「修道院に宿泊すると、朝この音で目を覚ますことができますよ。」
「はい。」

「世界遺産「ホレズ修道院」は、ホレズの街から少し離れた自然の美しい静かな場所にありますよ。」
「はい。」

「ホレズの街と言えば、世界遺産ホレズ修道院は、ホレズの街から少し離れた自然の美しい静かな場所にあります。ホレズの街はルーマニアを代表する陶器の生産地として有名なところです。」

「ホレズの街は、ルーマニアを代表する陶器の生産地として有名ですね。」
「そうなんですか。」

「ホレズを訪れた時には、忘れずにこのホレズ陶器もご覧になってください。」
「わかりました。」

「ホレズ陶器と言えば、ルーマニアで一番有名な陶器は、「Horezu ホレズ」です。デザインがシンプルな器から複雑模様の花瓶まで多彩かつ立体的な装飾です。他の地域のモノと比べると値段が2倍以上も違う。柄は全て手書きです。」

「厚手の素朴な陶器で、ぐるぐると渦巻のような模様を描いたお皿や花瓶などがありますよ。」
「はい。」

「このお皿に味の濃いトマトや新鮮なチーズ、スパイシーなサラミなどを乗せたプレートは、レストランなどで出会うことがあるでしょう。」
「そうなんですか。」

「旅の思い出に、是非一つ手に入れて頂きたいですね。」
「そうですね。」





ルーマニアの世界遺産とドラキュラ伝説~マラムレシュの木造聖堂群~

「ルーマニア北部のマラムレシュ地方は、中世からのヨーロッパの農業を中心とした暮らしを守ってきた地域ですね。」
「はい。」

「マラムレシュと言えば、マラムレシュ県 は、ルーマニアの県である。県都はバイア・マレ。」

「ルーマニアと言えば、東ヨーロッパに位置する共和制国家である。南西にセルビア、北西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。首都はブカレスト。」

「ルーマニアや周辺国の首都から遠く、山間の地であるため、長い間工業化や共産主義化の影響を受けずに独自の農業文化を守ってきましたよ。」
「そうなんだ。」

「このマラムレシュに世界遺産として登録されたのが、マラムレシュの木造聖堂群ですよ。」
「はい。」

「マラムレシュの木造聖堂群が世界遺産に登録された木造教会は8つですね。」
「はい。」

「それぞれ異なる建築技術が使われていますよ。」
「そうなんですか。」

「美しい景色を見ながら、村をいくつも廻ってそれぞれの教会を見比べるのも楽しいですよ。」
「はい。」

「こちらに共通する点は、高い塔を持っていること、雪国らしく大きな屋根で聖堂が覆われていること、金属の釘や石の基盤などは一切使わず全てのパーツが木で作られていることですね。」
「そうなんだ。」

「特に注目すべき点は、完全な木造建築という点ですね。」
「はい。」

「マラムレシュの多くの木造聖堂は、18世紀ごろに建てられていますよ。」
「はい。」

「当時の木造建築技術では、奇跡的と言えるほど水準の高いものでしたよ。」
「そうなんだ。」

「この建築技術は、今でも伝承されていますよ。」
「はい。」

「高い塔や繊細な木製瓦の屋根を見れば、感嘆の声を上げるはずですよ。」
「そうなんですか。」

「教会はどれも小さく内部はほんのりと暗いですが、石造りの教会と違い、どこか日本の木造建築を思わせる温かさがありますよ。」
「はい。」

「聖堂内部には、東方正教らしくイコン画が飾られていますよ。」
「はい。」

「イコン画と言えば、イコンとは、イエス・キリスト(イイスス・ハリストス)、聖人、天使、聖書における重要出来事やたとえ話、教会史上の出来事を画いた画像(多くは平面)である。」

「このイコン画も素朴ながら生き生きとした表情があり、この地の人たちの信仰心が感じられますよ。」
「そうなんですか。」

「この世界遺産の聖堂内部に入ると、キリスト教徒ではなくても心が清められる思いがしますよ。」
「はい。」

「この素晴らしい木造聖堂の建築技術は、首都ブカレストの野外博物館である農村博物館でも見ることができますよ。」
「そうなんですか。」

「農村博物館と言えば、ブカレストの中でも特に面白い博物館は農村博物館です。ルーマニア各地の農村から農家、教会、水車など計297棟を運んできて展示した野外博物館。18~19世紀にかけて各地にあった代表的なスタイルを再現しており、フォークロアの宝庫であるルーマニアの魅力が、たっぷりと詰まっている。」

「首都のブカレストと言えば、ルーマニアの首都で同国最大の都市である。ブカレストはルーマニア南東部にあり、ドゥンボヴィツァ川河畔の都市でルーマニアの文化、産業、金融の中心都市である。」

「しかし、時間が許すなら、マラムレシュまで行き、村の風景の中で今も信仰の場となっている木造聖堂を見るのが何よりですよ。」
「はい。」

「農業生活の伝統を守ってきた、ルーマニア人の心のふるさとであるマラムレシュですよ。」
「はい。」

「近年は、ルーマニアがEUに加盟したこともあり、近代化が急速に進んでいますよ。」
「そうなんだ。」

「もちろん、昔からの生活はこの地に息づいていますよ。」
「はい。」

「マラムレシュの人々が、伝統や遺産をないがしろにすることもないでしょう。」
「はい。」

「しかし、昔からの暮らしをのぞいてみたい方は、早いうちにクリスマスやイースターの時期に合わせてご旅行されることをおススメします。」
「わかりました。」

「世界遺産や民族衣装や伝統的な習慣、教会でのミサなども同時に見ることができますよ。」
「そうなんだ。」





ルーマニアの世界遺産とドラキュラ伝説~モルダヴィア地方のモルダヴィア北部の壁画教会群~

「ルーマニアの世界遺産「モルダヴィア地方の教会群」は、認定される前には「五つの修道院」として既に知られていましたよ。」
「そうなんですか。」

「モルダヴィアと言えば、東ヨーロッパの一角を占める地域の名称である。ルーマニアの東北部、すなわちカルパティア山脈の東、プルート川の西で両者に挟まれた地域にあたり、時にはルーマニア領を越えてプルート川の東にあるドニエプル川を西限とするベッサラビア地方を含めた、さらに広い地域を指す。」

「ルーマニアと言えば、東ヨーロッパに位置する共和制国家である。南西にセルビア、北西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。首都はブカレスト。」

「それは、壁画に埋め尽くされた美しい教会と修道院の数々ですね。」
「はい。」

「現在、ルーマニアの世界遺産には、8つの教会が登録されていますよ。」
「はい。」

「モルダヴィア地方の教会群の特徴は、教会の内壁ではなく、外壁にフレスコ画が描かれていることですよ。」
「そうなんですか。」

「フレスコ画と言えば、フレスコは絵画技法のひとつである。この技法で描かれた壁画をフレスコまたはフレスコ画と呼ぶ。西洋の壁画などに使われる。語源はイタリア語の "fresco" (「新しい」「新鮮な」という意味)である。」

「キリスト教の教えを、字が読めない人にも教会の中に入れない人にも、全ての人に知らしめるために描かれたものですよ。」
「なるほど。」

「芸術的価値や技術水準の高さも際立っていますよ。」
「そうなんだ。」

「どの教会もため息が出るほど美しく、どのアングルで写真を撮っても絵になってしまうほどですよ。」
「はい。」

「壁画は、キリスト教の聖書の場面や異教徒との戦いがモチーフになっていますよ。」
「そうなんだ。」

「異教徒がトルコ風なのが、オスマントルコとの激しい戦いにさらされたこの地方ならではの特徴ですね。」
「はい。」

「オスマントルコと言えば、オスマン帝国は、テュルク系(後のトルコ人)のオスマン家出身の君主(皇帝)を戴く多民族帝国で、15世紀には現在のトルコの都市イスタンブルを征服して首都とし、17世紀の最大版図は、東西はアゼルバイジャンからモロッコに至り、南北はイエメンからウクライナ、ハンガリー、チェコスロヴァキアに至る広大な領域に及んだ。」

「特に有名な壁画を有するのが、ヴォロネッツ修道院、モルドヴィッツァ修道院、2010年に世界遺産に追加登録されたスチェヴッツァ修道院ですよ。」
「はい。」

「スチェヴッツァ修道院と言えば、モルドヴァ公国の貴族モヴィーラ公により建てられた。外壁に描かれたフレスコ画の保存状態は非常に良く、フレスコ画からどのような布教の意図があったのか容易に理解できる。中でも北側に描かれた「天国の梯子」は特筆に値する。」

「モルドヴィッツァ修道院と言えば、要塞のような塔のある城砦に囲まれた女子修道院である。この修道院の特に有名なフレスコ画のテーマに、「エッサイの樹」と「コンスタンチノープルの包囲戦」がある。」

「ヴォロネッツ修道院と言えば、1488年にモルドヴァ公国の、シュテファン大公により建立された。この修道院の最大の見所は、向こう裏側の西正面一杯に描かれたフレスコ画「最後の審判」です。」

「ヴォロネッツ修道院の壁画は、「ヴォロネッツの青」と呼ばれる鮮やかな青が基調となり、非常に美しい壁画が壁いっぱいに描かれていますよ。」
「綺麗ですね。」

「中でも、圧巻なのが「最後の審判」の壁画ですね。」
「そうなんだ。」

「モルドヴィッツァ修道院は、ヴォロネッツ修道院に比べると赤い色調が目立つため、赤の修道院と呼ばれることもありますよ。」
「はい。」

「こちらは、「コンスタンチノープル包囲」の壁画で有名ですね。」
「そうなんだ。」

「スチェヴィッツァ修道院は、大きな梯子で有名な「天国の梯子」の壁画がありますよ。」
「はい。」

「「天国の梯子」の壁画と言えば、ビザンチンの聖堂の天井には、青いタイルのモザイクで、天国の梯子の壁画が描かれている。細い梯子を伝って天上に昇ろうとする死者たちに、悪魔たちが手を延ばし地獄の炎に引き込もうとしている。」

「こちらは教会群の中でも、建築、壁画ともに保存状態が最もいいと言われていますよ。」
「そうなんですか。」

「こちらは、他のルーマニアの世界遺産に比べてアクセスのいいところにありますよ。」
「それはいいですね。」

「ルーマニアの首都ブカレストから列車で7時間、又は飛行機で1時間ですよ。」
「はい。」

「首都のブカレストと言えば、ルーマニアの首都で同国最大の都市である。ブカレストはルーマニア南東部にあり、ドゥンボヴィツァ川河畔の都市でルーマニアの文化、産業、金融の中心都市である。」

「スチャバという街に行き、そこを基点に教会群を巡ることができますよ。」
「はい。」

「スチャバという街と言えば、スチャヴァは、ルーマニア・モルダヴィア地方及びブコヴィナの都市である。スチャヴァ県の県都。14~16世紀はモルダヴィア公国の首都。」

「スチャバのホテルやホステルでは、たいてい教会群巡りのプライベートツアーを組んでくれますよ。」
「そうなんだ。」

「車でしか行けない教会もあるので無理して自力で回るより、このようなツアーに参加するのがおススメですよ。」
「わかりました。」

「スチャバには、世界遺産の一つに数えられる聖ゲオルゲ教会の他に、要塞跡などの見所もありますよ。」
「はい。」

「聖ゲオルゲ教会と言えば、ドイツで最も初期に作られた3つの教会の一つであり(3つの教会ともライヘナウ島にある)、2000年秋に世界遺産にも登録された。会堂の内壁には11世紀に描かれた見事なフレスコ画が残っている。」

「スチャバからは、バスで2時間ほどで北の隣国ウクライナのチェルニフツィという街に行けますよ。」
「はい。」

「ウクライナのチェルニフツィという街と言えば、チェルニフツィはウクライナの中心から比較的遠くルーマニア国境に近い街だという。」

「チェルニフツィも、ハプスブルグ支配の後が残る美しい街ですよ。」
「そうなんですか。」

「ハプスブルグと言えば、ハプスブルグとは「鷹の城」の意味です。ハプスブルク家は、現在のスイス北東部(バーゼル近郊)のライン川上流域に発祥したドイツ系の貴族の家系、オーストリアの王家で13世紀以来神聖ローマ帝国皇帝に選ばれた名門です。」

「ウクライナのチェルニフツィという街と言えば、チェルニフツィはウクライナの中心から比較的遠くルーマニア国境に近い街だという。」

「少し遠いですが、7時間で東の隣国モルドバの首都キシナウにも行けますよ。」
「はい。」

「モルドバの首都キシナウと言えば、モルドバ共和国の首都である。人口は647,513人(2004年)。キシネウとも。 地名は、ルーマニア語の "chisla" (泉)と "noua" (新しい)に由来する。この泉は今もプーシキン通りにあり、ここから町が形成された。」

「東欧周遊予定の方は、数か国回るのもおススメですよ。」
「わかりました。」

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