アフリカ中央部の世界遺産～ガボンのロペ＝オカンダの生態系と残存する文化的景観・カメルーンのジャー動物保護区・コンゴのヴィルンガ国立公園・ガランバ国立公園・オカピ野生生物保護区・中央アフリカのマノヴォ＝グンダ・サン・フローリス国立公園・モーリタニアのバン・ダルガン国立公園・ウアダン、シンゲッティ、ティシット、ウアラタの古いクスール～

アフリカ中央部世界遺産

アフリカ中央部の世界遺産

「世界には人々を惹きつけてやまない、珠玉の観光地が数多く点在していますね。」
「そうですね。」

「数ある観光地の中でも、一生に一度は行きたいスポットとされているのが「世界遺産」ですね。」
「はい。」

「皆さんは、どれくらいの世界遺産をご存じでしょうか。」
「あまり多くは知りません。」

「アフリカ中央部の世界遺産には、魅力的なものが数多く保存されていますよ。」
「そうなんですか。」

「ここでは、皆さんの知らないアフリカ中央部の世界遺産をご紹介しますね。」
「お願いします。」

「アフリカ中央部にはチャドやコンゴ民主共和国、ルワンダ、サントメ・プリンシペ、カメルーンなどの国々が存在しますね。」
「はい。」

「カメルーンと言えば、カメルーン共和国、通称カメルーンは、中部アフリカに位置する共和制国家である。西にナイジェリア、北東にチャド、東に中央アフリカ共和国、南東にコンゴ共和国、南にガボン、南西に赤道ギニアに隣接し、南西部が大西洋のギニア湾に面する。首都はヤウンデ。」

「サントメ・プリンシペと言えば、サントメ・プリンシペ民主共和国、通称サントメ・プリンシペは、西アフリカのギニア湾に浮かぶ火山島であるサントメ島、プリンシペ島、そしてその周辺の島々から成る共和制国家である。首都はサントメ。島国である。ポルトガル語諸国共同体、ポルトガル語公用語アフリカ諸国加盟国。」

「ルワンダと言えば、ルワンダ共和国、通称ルワンダは、中部アフリカに位置する共和制国家である。内陸国であり、西にコンゴ民主共和国、北にウガンダ、東にタンザニア、南にブルンジと国境を接する。首都はキガリ。イギリス連邦加盟国。」

「コンゴ民主共和国と言えば、コンゴ民主共和国は、中部アフリカに位置する共和制国家である。北西にコンゴ共和国、南西にアンゴラ、南にザンビア、東にタンザニア、ブルンジ、ルワンダ、北東にウガンダ、南スーダン、北に中央アフリカ共和国と国境を接し、西は大西洋に面する。首都はキンシャナ。」

「チャドと言えば、チャド共和国、通称チャドは、アフリカ中央部の国家である。スーダン、中央アフリカ、カメルーン、ナイジェリア、ニジェール、リビアと国境を接する。首都はンジャメナ。」

「中でも最も日本人に知られているのは、日本の世界特捜系のメディアでよくピックアップされている「コンゴ民主共和国」かも知れませんね。」
「そうですね。」

「コンゴ民主共和国は自然遺産のみを5カ所も保有している、極めて珍しい国ですよ。」
「そうなんですか。」

「アフリカ中央部の中で、最も大自然に恵まれた地域として重宝されていますよ。」
「そうなんだ。」

「コンゴ民主共和国の世界遺産の中には、すでに危機遺産（世界遺産としてのレベルを損ない始めているもの）に登録されているものも多いですよ。」
「はい。」

「いつ世界遺産のリストから消えてしまうか分からない現状にありますね。」
「そうなんですか。」

「しかし、たくさんの動物たちが豊かに棲息していることには変わりありませんよ。」
「はい。」

「気になる世界遺産がある方は、是非、コンゴ民主共和国の世界遺産を訪問してくださいね。」
「わかりました。」

「チャドやルワンダなどの国も非常に面白い国ですよ。」
「はい。」

「これらの国には世界遺産は一カ所も保存されていませんよ。」
「そうなんですか。」

「アフリカの中央エリアへ行くのであれば、中央アフリカの中でも比較的世界遺産の多いコンゴ民主共和国がベストと思われますよ。」
「はい。」

「カメルーンのような有名な国も、保有している世界遺産が一カ所しかありませんよ。」
「そうなんですか。」

「コンゴ民主共和国は文化遺産も複合遺産もなく、あるのは自然遺産のみですよ。」
「はい。」

「気になる方は、是非カメルーンの世界遺産も訪ねてみましょう。」
「わかりました。」

「カメルーンにある自然遺産は、「ジャー動物保護区」という自然保護区のみですよ。」
「はい。」

「1987年にユネスコの世界遺産に指定されたこの世界遺産は、カメルーンでもっとも有名な観光名所としてもおなじみですね。」
「はい。」

「5260平方キロメートルにも及ぶ敷地面積を保持しており、その敷地の中には5種類の絶滅危惧種を含むと107種類のほ乳類（ニシローランドゴリラやマンドリル）が棲息していますよ。」
「いろいろいるんですね。」

「マンドリルと言えば、動物界脊椎動物門哺乳網霊長目オナガザル科マンドリル属に分類されるサル。特定動物。」

「ニシローランドゴリラと言えば、サル目(霊長目)-ヒト科-ゴリラ属に分類される哺乳類である。アフリカ中央部（中部アフリカ）に生息している。特定動物。特定動物とは、日本の法律である動物愛護管理法の規定に基づいて、人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定められる動物種のことである。」

「この世界遺産の内部にいるのは動物ばかりではなく、「バカ族」という民族も生活していますよ。」
「はい。」

「バカ族と言えば、バカ・ピグミー（またはベバヤカ、ベバヤガ、ビバヤ、バビンガ）は、カメルーン南東部の熱帯雨林、コンゴ北部、ガボン北部、中央アフリカ共和国南東部に住むピグミーの民族グループである。バカ族は狩猟採集民である。近年、カメルーンのバカ族は、特に道路に面した集落で貨幣経済が浸透しつつあり、学者の間で貨幣が原始共産制をどう変えるのか、という研究対象になっている。」

「動物以外に人間の民族が住んでいる自然保護区というのは、ここ以外滅多にありませんよ。」
「そうですね。」

「運がよければサルの木登りの様子だけでなく、この民族が棲息する様子やイノシシの狩り、ヘビなどの生態も観察することができますよ。」
「そうなんだ。」

「まさに、野生動物の宝庫と言うべき世界遺産ですよ。」
「はい。」

「どう猛な動物ばかりですが、ワニなどの動物も棲息していますよ。」
「はい。」

「「可愛い動物よりワイルドな動物が好き」という方には、うってつけの世界遺産ですね。」
「そうですね。」

「この世界遺産はカメルーンで唯一の世界遺産であると同時に、アフリカ州でもっとも規模の大きい熱帯性雨林ですよ。」
「はい。」

「アフリカ州と言えば、アフリカは、広義にはアフリカ大陸およびその周辺のマダガスカル島などの島嶼・海域を含む地域の総称で、六大州の一つである。地理的には地中海を挟んでヨーロッパの南に位置する。赤道を挟んで南北双方に広い面積を持つ唯一の大陸でもあり、それに伴って多様な気候領域がある。」

「冒険がしたい方には、かなりおススメのスポットですね。」
「なるほど。」

「この辺りを観光する日本人はあまりいませんね。」
「そうなんですか。」

「あまり知られてない世界遺産を観光したいという方は、是非「ジャー動物保護区」を訪問しましょう。」
「わかりました。」

アフリカ中央部の世界遺産～ガボンのロペ＝オカンダの生態系と残存する文化的景観～

「「ロペ＝オカンダの生態系と残存する文化的景観」という世界遺産をご存じですか？」
「いいえ、知りません。」

「ロペ＝オカンダと言えば、ガボン共和国中央部に存在する国立公園である。領域のほとんどは熱帯雨林だが、公園の北部に、1万5千年前の氷河期に中央アフリカで形成されたサバナが残存している。1946年にロペ＝オカンダ野生動物保護区が創設された際に、最初に保護された地域である。」

「この世界遺産は2007年にユネスコの世界遺産に指定された、ガボン共和国の複合遺産（文化遺産と自然遺産の両方の面を併せ持つ遺産）ですよ。」
「はい。」

「「ロペ＝オカンダの生態系と残存する文化的景観」はガボン共和国で初めて登録された世界遺産であり、ガボン共和国を代表する人気スポットとして知られていますよ。」
「そうなんだ。」

「この国の中央エリアに位置する世界遺産であり、オゴウェ・イヴィンド州とオゴウェ・ロロ州にまたがるように展開されているこのスポットは、サバンナの生態系を保護していることでおなじみの観光名所ですよ。」
「そうなんですか。」

「オゴウェ・ロロ州と言えば、ガボンの州である。面積は25,380km2、人口は43,915人（1993年）。州都はクラムトゥである。」

「オゴウェ・イヴィンド州と言えば、ガボンの州である。面積は46,075km2、人口は48,862人（1993年）。州都はマコクー（英語版）である。」

「国民から愛される自然環境であると同時に世界的に重要視されている複合遺産でもあり、その貴重な動植物を観察するために、世界各国から多くの人々が訪れていますよ。」
「はい。」

「ガボン共和国の中央部にあるオゴウェ・イヴィンド州とオゴウェ・ロロ州にまたがるこの世界遺産は、ニシローランドゴリラやマンドリル、クロコロブスなどの絶滅危惧種を保護していますよ。」
「はい。」

「クロコロブスと言えば、頭胴長約70cm，尾長約80cm，体重約11kg。数多くの変異があるが，エチオピアから中央アフリカの森林地帯北部にかけて分布するゲレザ，その南部の森林地帯に分布するアンゴラコロブス，西アフリカのウェスタンコロブス，ガボン，カメルーンにすむ全身真っ黒なクロコロブスの4系統に分類される。」

「マンドリルと言えば、動物界脊椎動物門哺乳網霊長目オナガザル科マンドリル属に分類されるサル。特定動物。」

「オゴウェ・ロロ州と言えば、ガボンの州である。面積は25,380km2、人口は43,915人（1993年）。州都はクラムトゥである。」

「オゴウェ・イヴィンド州と言えば、ガボンの州である。面積は46,075km2、人口は48,862人（1993年）。州都はマコクー（英語版）である。」

「北部には、一万五千年も昔の時代に形成された氷河期の大陸も存在するなど、他ではまず見られないありのままの大自然が保存されていますよ。」
「そうなんだ。」

「ただ美しいだけではなく、考えさせられることが色々とある世界遺産ですよ。」
「はい。」

「日本の空にはまず存在しないような鳥類が何羽も空を飛び立っていたり、木登りするサルがいたりと、檻のない動物園のような空間になっているので、野生動物の生活を裸眼で眺めたい方はぜひ、この世界遺産を観光してみましょう。」
「わかりました。」

「ちなみにこの世界遺産の見所は野生動物ばかりではありませんよ。」
「どういうことですか？」

「1800点以上も現存している岩石画があったり、新石器時代や鉄器時代などの考古学的価値の高い遺跡が数多く点在しているので、そういった部分を観光するのも楽しみの一つですね。」
「そうですね。」

「この地域には驚くような歴史と文化が色濃く残っているので、新石器時代の生活に興味のある方はぜひロペ＝オカンダの生態系と残存する文化的景観を訪ねてみてください。」
「わかりました。」

「ちなみにこの世界遺産の周辺には、ショッピングに向いているようなスポットもなく、宿泊できる環境があったとしても日本とはまったく違う環境ですよ。」
「どういうことですか？。」

「ないものもたくさんありますし、飲料水として扱われているものさえ飲めなかったりすることがありますよ。」
「それは困りますね。」

「なかなか大変な環境なので準備しなければならないものも多々ありますし、お金を盗られないように工夫しないと盗難被害に遭う可能性も濃厚ですよ。」
「そうなんですか。」

「美しい国ではありますが危険な国でもあるので、気になる世界遺産がある方は準備を万全」に整えた上で観光するようにしてみましょう。」
「わかりました。」

アフリカ中央部の世界遺産～カメルーンのジャー動物保護区～

「ジャー動物保護区はカメルーンにある自然保護区ですよ。」
「はい。」

「1987年に世界遺産の自然遺産として登録されましたね。」
「はい。」

「カメルーンにおいては、唯一の世界遺産ですよ。」
「そうなんだ。」

「ジャー動物保護区が世界遺産に選ばれた理由の１つとして、アフリカの中でも最大規模の手つかずの熱帯雨林地域ということが挙げられますね。」
「はい。」

「ジャー動物保護区の面積は、5260平方キロメートルほどありますよ。」
「はい。」

「大きな川が三方を囲んでいるため、ほとんど人間が入り込まなかったのですよ。」
「そうなんですか。」

「元々はフランス領であったため、1932年という古い時代から環境保護の意識が強く、自然が保護されてきた歴史を持っていますよ。」
「はい。」

「広大な熱帯雨林地域の90％余りは、いまだに人が入ったことがない未開の土地ですよ。」
「はい。」

「今では絶滅危惧種となってしまったニシローランドドゴリラをはじめ、とても珍しいサルである世界最小のサルとして有名なコビトグエノンの他、マンドリル、チンパンジー、オナガザルなどサルの仲間が豊富に暮らしていますよ。」
「それは貴重ですね。」

「オナガザルと言えば、オナガザル科は生物の分類で、サル目（霊長目）に属する1科である。アジア南部およびアフリカ（旧世界）に分布しており、旧世界ザルとも呼ばれる。日本語のサルのイメージに近いサルである。「尾長猿（おながざる）」の名のとおり、長い尾をもつことが特徴であるが、バーバリーマカクやニホンザルのように、二次的に尻尾を失ったものもある。」

「コビトグエノンと言えば、コビトグエノンはタラポアンとも呼ばれます。体重がオスで1.4kgと小型のサルです。カメルーン南部からアンゴラにかけて、河川に沿った森林に生息しています。樹上で生活し、果実、花、昆虫などを食べています。」

「マンドリルと言えば、動物界脊椎動物門哺乳網霊長目オナガザル科マンドリル属に分類されるサル。特定動物。」

「これまでに107種余りの哺乳類が確認され、1500種の植物の分布も確認されていますよ。」
「はい。」

「この地域には、昔からの先住民であるピグミー族が暮らしていますよ。」
「はい。」

「ピグミー族と言えば、ピグミーは、一般的に矮小な人種や動物に適用される用語である。古代ギリシャの肘尺pygmeが語源となっている。人類学上、ピグミーとは特に身長の低い（平均1.5メートル未満）特徴を持つ、赤道付近の熱帯雨林に住む狩猟採集民であるとされてきた。ピグミーは中央アフリカ全体の熱帯雨林を生活拠点としている。」

「ピグミー族は狩猟民族であり、今でも狩猟をしながら生きていますよ。」
「そうなんだ。」

「家は枝や木の葉で作られていますよ。」
「はい。」

「定住はせず、獲物を求めて集団で移動を繰り返すことで知られていますね。」
「はい。」

「現代社会の私たちの暮らしと、かけ離れた生活がそこにありますよ。」
「そうですね。」

「彼らの生活も含めて、大切に保護すべき場所かも知れませんね。」
「はい。」

「世界遺産に登録されたのは、あくまでもジャー動物保護区という自然遺産ですよ。」
「はい。」

「先住民の生活や文化といった文化遺産ではありませんよ。」
「そうなんですか。」

「本来、世界遺産に登録されれば、その自然を守ることが最優先されますよ。」
「そうですね。」

「魚釣りや狩猟、植物の採取などは禁止されますよ。」
「はい。」

「しかし、ジャー動物保護区においては、ピグミー族に限って狩猟が許されていますよ。」
「そうなんですか。」

「カメルーンは、2010年のサッカーワールドカップ南アフリカ大会で、日本代表と初戦の相手となったため、記憶に新しい方もいると思いますよ。」
「そうですね。」

「そのカメルーンに今も狩猟をしながら自給自足でジャングルに暮らす民族がいるというのは驚きですね。」
「はい。」

「ただし、ピグミー族との間で環境保護と狩猟をめぐる衝突がありましたよ。」
「そうなんですか。」

「したがって、ガイドと行動を共にするのが良いでしょう。」
「はい。」

「ニシローランドドゴリラなどは、特に重要視される動物ですよ。」
「はい。」

「世界遺産地域として、保護されていくことが望まれますね。」
「わかりました。」

アフリカ中央部の世界遺産～コンゴのヴィルンガ国立公園～

「コンゴ民主共和国の北東部、ルワンダやウガンダの国境近くにあるヴィルンガ国立公園は、特にマウンテンゴリラの生息地として知られていますね。」
「はい。」

「マウンテンゴリラと言えば、ゴリラの一亜種である。アフリカのコンゴ民主共和国東部からウガンダ・ルワンダにまたがる山地林に生息。毛色は黒い。」

「ゴリラの存在自体が科学的に認知されたのは、19世紀と比較的新しいですよ。」
「はい。」

「コンゴの高地個体群の亜種である、マウンテンゴリラが数多く生育している地域としてすぐに注目を集めましたよ。」
「そうなんだ。」

「1925年に宗主国だったベルギーにより、国立公園に指定されましたよ。」
「はい。」

「全世界のおよそ半分が、コンゴ世界遺産のヴィルンガ国立公園内に生息していますよ。」
「そうなんですか。」

「しかし、コンゴの隣国のルワンダで内戦が勃発しましたね。」
「そうですね。」

「ルワンダの内戦と言えば、アフリカ中央部にあるルワンダにおいて、1990年から1993年にかけ、フツ系の政府軍及びインテラハムウェと、ツチ系のルワンダ愛国戦線との間で行われた武力衝突である。」

「それにより発生した大量の難民が流入した事で、一気に環境が悪化しましたよ。」
「そうなんだ。」

「難民が流入した後に、生活手段として森を切り開くなどの活動をしましたよ。」
「はい。」

「その際、その地域に生息していた多くの動物が殺されていますよ。」
「そうなんですか。」

「コンゴに逃走してきた武装兵士の攻撃を受けたものもありますよ。」
「はい。」

「ゴリラの他、カバの生息地でもありますが、いずれも個体数が大幅に減少していますよ。」
「はい。」

「マウンテンゴリラに関しては、わずか300頭しかいなかったものが、大きな犠牲を受けていますよ。」
「それは残念ですね。」

「マウンテンゴリラが絶滅の危機にあるため、1994年に世界遺産の危機遺産に登録されましたよ。」
「そうなんだ。」

「ゴリラの減少の原因は、内戦や密猟だけではありませんよ。」
「そうなんですか。」

「ごくまれにエボラ出血熱がゴリラの間で広まり、命を落とす事がありますよ。」
「そうなんだ。」

「エボラ出血熱と言えば、フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症である。出血熱の一つ。「エボラ」の名は発病者の出た地域に流れる川の名から命名された。」

「エボラ出血熱は致死率が高く、人間にも感染し、現状では治療法は確立していませんね。」
「そうですね。」

「難しい病気のため、感染すると手の打ちようがありませんね。」
「はい。」

「現状は、国内外の政変により複数の武装勢力が国立公園の地域を支配下に置いていますよ。」
「大変なことですね。」

「このためゴリラなどを守るレンジャーの派遣も、コンゴ政府ではなく反政府武装勢力の了解のもとで行われるなど厳しい状況ですよ。」
「難しいですね。」

「2008年には、ゴリラがレンジャーによって殺されるという事件が発覚していますよ。」
「そうなんですか。」

「もちろん悪いレンジャーはごく一部ですよ。」
「はい。」

「レンジャーの活動により1980年以降マウンテンゴリラの個体数は倍以上に増えていますよ。」
「そうなんだ。」

「コンゴの世界遺産を見にくる観光客は2008年にはゼロでしたよ。」
「そうなんですか。」

「しかし、2011年には、およそ3000人が訪れていますよ。」
「はい。」

「コンゴの世界遺産ヴィルンガ国立公園の周りにはチンパンジーが棲息するトンゴの森など、他の観光地とも近く便利な場所にあることで徐々に増加していますよ。」
「それは良かったですね。」

「ゴリラは大柄のために凶暴と思われがちですね。」
「そうですね。」

「最近の研究によると、温和で繊細な動物である事が分かってきましたよ。」
「そうなんだ。」

「しかし、警戒心が強いこともありますよ。」
「はい。」

「サファリツアーでヴィルンガ国立公園を訪れた際に、ゴリラの側が警戒して見つけ出す事は困難かも知れませんね。」
「わかりました。」

アフリカ中央部の世界遺産～コンゴのガランバ国立公園～

「コンゴ民主共和国の北東部、スーダンとの国境地帯に広がるガランバ国立公園は、キタシロサイの保護区として知られていますよ。」
「そうなんですか。」

「キタシロサイと言えば、亜種キタシロサイは一時期生息数が増加したが、近年になり再び生息数が激減し絶滅寸前とされる。2006年8月から2年は野生の個体は発見されていない。ウガンダ、カメルーン北部（絶滅？）、コンゴ共和国北東部、コンゴ民主共和国東部、スーダン南部、チャド、中央アフリカ共和国に分布している。」

「シロサイと言えば、動物界脊椎動物門哺乳網奇蹄目サイ科シロサイ属に分類されるサイ。本種のみでシロサイ属を形成する。特定動物。」

「シロサイには、キタシロサイとミナミシロサイがいますよ。」
「はい。」

「それぞれアフリカ大陸の北部、南部にわずかに生息していますよ。」
「はい。」

「成長すると雄は数トンにもなり、立派な角を生やしますね。」
「そうなんだ。」

「コンゴでは工芸品あるいは漢方薬の材料として、角を目的としたキタシロサイの乱獲がなされましたよ。」
「それは問題ですね。」

「その結果、生息数が激減し、現在では絶滅危惧種となっていますよ。」
「残念ですね。」

「キタシロサイの生息地であるガランバ国立公園は、1984年に危機遺産としてコンゴの世界遺産登録がなされましたよ。」
「はい。」

「1984年当時、コンゴ民主共和国国内には、わずか15頭しかキタシロサイが生息していないという絶滅危機でしたよ。」
「そんなに少なかったんですか？」

「保護により、ガランバ国立公園では、わずかながら増加しましたよ。」
「はい。」

「この結果、1992年には一時的にコンゴの世界遺産の危機遺産リストから外されましたね。」
「良かったですね。」

「ところが、隣国スーダンからの反政府軍や難民の流入、さらにはコンゴ民主共和国の内戦により環境が悪化しましたよ。」
「それは大変ですね。」

「1996年には、再び危機遺産として世界遺産登録がなされました。」
「そうなんだ。」

「環境悪化によりキタシロサイは再び減少し、2005年の航空写真による調査ではわずか4個体、2006年8月から2年間は野生の個体が見つからなかったという記録もありますよ。」
「そうなんですか。」

「未だに密猟の危険もはらんでいますね。」
「残念ですね。」

「ガランバ国立公園の特徴として、アフリカゾウの調教がありますよ。」
「はい。」

「アフリカゾウも象牙目的の乱獲や人間の活動、自然環境の変化などにより生息数が減少していますよ。」
「はい。」

「ここでは、動物園やサーカスなどで飼育される時に向けて、調教を行っていますよ。」
「そうなんですか。」

「ゾウを狩猟して収入を得るのではなく、生きたゾウを見せる事による観光収入を得る方向に視線を変えて、地元住民の収入の道を作れば、密猟が減るのではないかと期待されていますよ。」
「そうですね。」

「植物に関しては、薬用植物として利用される事のあるソーセージノキという木が生えていますよ。」
「はい。」

「ソーセージノキと言えば、ノウゼンカズラ科に分類される樹木である。1属1種。エチオピア区の広範囲に分布し、エリトリア、チャド南部から南アフリカ北部、西はセネガルにまで及ぶ。」

「果実が細長くソーセージのようだからという事が由来ですね。」
「おもしろいですね。」

「世界遺産に関しては、キタシロサイの個体数の激減、保護のための移送計画の頓挫などにより、世界遺産の登録から外してしまうという動きも出ていますよ。」
「それは大変だ。」

「個体数が一桁の場合、もはや保護しても無理という判断が出つつありますよ。」
「はい。」

「このように、キタシロサイに対する危機的状況は今も変わりませんね。」
「はい。」

「国境地帯という事もあり、コンゴの隣国などとの国際的に協調した環境保全の取り組みが必要と考えられていますよ。」
「そうですね。」

アフリカ中央部の世界遺産～コンゴのオカピ野生生物保護区～

「20世紀に発見された世界三大珍獣は、ジャイアントパンダ、コビトカバ、オカピですね。」
「そうなんですか。」

「オカピと言えば、鯨偶蹄目（クジラ偶蹄目）キリン科に属する哺乳動物である。当初はシマウマの仲間だと考えられていたが、後にキリンの仲間であることが分かった。脚の縞模様が美しく、森の貴婦人などと呼ばれる。20世紀に入ってから初めてその存在が確認された珍しい動物である。」

「コビトカバと言えば、動物界脊椎動物門哺乳網ウシ目（偶蹄目）カバ科コビトカバ属に分類される偶蹄類である。現生種では本種のみでコビトカバ属を構成する。」

「ジャイアントパンダと言えば、哺乳網ネコ目（食肉目）クマ科ジャイアントパンダ属に分類される食肉類。中国大陸で進化し、アバ・チベット族チャン族自治州域内が主たる生息地である。」

「オカピは、新生代第三紀の時代から生息している生きた化石とも言われるほ乳類ですね。」
「そうなんだ。」

「足だけに縞模様があり、耳の大きい馬のような体型ですよ。」
「はい。」

「オカピは、「森の貴婦人」とも呼ばれていますよ。」
「どうしてですか？」

「名前の由来は、コンゴ民主共和国のセムリキ森林帯に住む先住民が「森の馬」と名付けた事によりますね。」
「そうなんですか。」

「セムリキ森林帯と言えば、アフリカ・サイールのセムリキ森林帯。」

「特徴からは、シマウマの仲間ではなく、キリンの仲間に分類されますね。」
「そうなんだ。」

「よく見ると、皮膚に覆われた2本の角が頭にありますよ。」
「はい。」

「コンゴ民主共和国のスーダンやウガンダとの国境に近い地域が、現在オカピ野生生物保護区として世界遺産に指定されていますよ。」
「はい。」

「コンゴの世界遺産オカピ野生生物保護区は、イトゥリの森と呼ばれる森のおよそ20%ほど、14000平方キロメートルの範囲で、その生息数は数千頭と見られていますよ。」
「そうなんですか。」

「イトゥリの森と言えば、イトゥリ州はコンゴ民主共和国北東部の州である。面積は65,658 平方kmで、2006年までの東部州の東南部に位置し、コンゴ川の支流アルウィミ川の上流部イトゥリ川の流域で一帯はイトゥリの森と呼ばれ、西部マンバサの大半はオカピ野生生物保護区に指定されている。」

「保護区内には、エプル保護調査センターがありますよ。」
「はい。」

「エプル保護調査センターと言えば、オカピ野生生物保護区内のエプル川沿いには、エプル保護調査センターがある。この機関は、アメリカの人類学者パトリック・パットナムがキャンプを設置した1928年にまで遡る。パットナムのキャンプは、野生のオカピを捕獲し、欧米の動物園に送ることを目的としたものであった。」

「このセンターは、元々は野生のオカピを捕獲して動物園に送る事を目的としていましたよ。」
「はい。」

「現在は、捕らえてそのまま送る事はしませんよ。」
「どうしているんですか？。」

「施設の中で繁殖を試みて、生まれてきた子どもを送るようにしていますよ。」
「その方がいいですね。」

「日本では、現在3つの動物園で飼育されていますよ。」
「はい。」

「オカピは20世紀に発見された事、警戒心が非常に強いことなどから観察が難しく、詳しい生態は明らかになっていませんね。」
「そうなんですか。」

「長い舌を伸ばして木の葉や草を食べる事が知られていますよ。」
「はい。」

「メスは巣を作って生活する一方、オスは巣を作らずに生活するため、捕食者であるヒョウにやられやすいのです。」
「はい。」

「コンゴ民主共和国は政情不安のため、内戦が続いていますね。」
「そうですね。」

「この戦闘の影響が保護区にも及ぶ事がありますよ。」
「そうでしょうね。」

「また、コンゴのオカピ野生生物保護区に元来住んでいる住民は森に敬意を抱いていますよ。」
「はい。」

「難民となった人たちはそうではなく、焼畑農業を行おうとします。」
「はい。」

「さらに密猟や金の採掘による環境破壊の恐れもありますね。」
「そうですね。」

「2012年にはエプル保護調査センターが密猟者、違法に採掘する鉱夫らに攻撃を受けていますよ。」
「どうしてですか？」

「密猟対策は軍も出動して徹底的な対策を取っており、治安は改善してきていますよ。」
「はい。」

「これらの経緯もあり、世界遺産の危機遺産リストに加えられましたよ。」
「やむを得ませんね。」

「今後、保護区内ではエコツーリズムの普及を手がけて行く動きがありますね。」
「はい。」

「大量の難民の発生、政情不安による資金不足があり保護が危ぶまれているところですね。」
「はい。」

「人間と動物たちが共存して行く道を模索している途上ですね。」
「そうですね。」

「コンゴ民主共和国の情勢が落ち着いた頃に、野生のオカピの生態を世界遺産の観光客として詳しく知る事が出来るでしょう。」
「期待しています。」

アフリカ中央部の世界遺産～中央アフリカのマノヴォ＝グンダ・サン・フローリス国立公園～

「生活に困らない環境にいながらも自由がない事の例えで、かごの中の鳥という表現を使われることがありますね。」
「はい。」

「厳しい自然環境でも、自分の意思で自由に飛び回っている姿こそが、本来の状態と言えるでしょう。」
「そうですね。」

「動物が好きな人が週末に動物園に行っても、それは形だけ見ているだけですね。」
「そうなんですか。」

「本当の姿や生息している環境を感じる事は出来ませんね。」
「なるほど。」

「したがって、そのような場所に百回行くより、一度中央アフリカにある世界遺産、マノヴォ＝グンダ・サン・フローリス国立公園に足を運んで頂きたいと思いますね。」
「そうですね。」

「こちらは、ただアフリカの真ん中にあるだけではありませんよ。」
「どういうことですか？」

「東西と南北という大きな環境の違いが交じり合っていますよ。」
「どうなるんですか？」

「実に多様な自然環境と、そこに暮らす動物たちの生活を形成していますよ。」
「はい。」

「ここなら、動物たちの暮らす環境や空気を、何倍も感じ取れるはずですよ。」
「そうなんだ。」

「ライオン、アフリカゾウ、サイなど皆さんの人生において、最も近くで見たという経験は、サファリパークくらいでしょう。」
「そうですね。」

「自然の状態の彼らを観察できたら、どれほど素晴らしいでしょう。」
「はい。」

「他にも、おススメなのが湿地帯の氾濫原ですよ。」
「はい。」

「氾濫原と言えば、河川の流水が洪水時に河道から氾濫する範囲にある平野部分をいう。谷底平野や扇状地、沖積平野、三角州などで洪水時に浸水する範囲も同様に氾濫原といえる。河川の下流部によく発達する。」

「ここには、ハシビロコウやペリカンなど沢山の水鳥が現れ圧巻の光景が広がっていますよ。」
「そうなんだ。」

「ハシビロコウと言えば、ペリカン目ハシビロコウ科の鳥類の一種である。」

「公園に鳩がいるとか、近くの川にアヒルやカモが単体でいるだけでも、ちょっとワクワクしますね。」
「はい。」

「こちらでは、果てしない地平線が湿地帯になっており、無数の鳥がいますから、是非味わって頂きたいですね。」
「わかりました。」

「こちらの国立公園には、先に紹介した哺乳類や鳥の他にも、ライオン、チーター、カバという動物園でもお馴染みの巨大哺乳類の他に、イボイノシシ、ガゼル、スイギュウ、ヒヒ、サバンナモンキーといった種類も存在していますよ。」
「いろいろいますね。」

「サバンナモンキーと言えば、サバンナモンキーはベルベットモンキー、ミドリザルなどとも呼ばれ、アフリカのサバンナ地帯で群れで生活しています。地上でよく見かけるが、樹上でも生活する。」

「ヒヒと言えば、サル目オナガザル科ヒヒ属に属する哺乳類の総称のことである。主にアフリカに分布する。地上で生活し、高度な社会を形成する。オスとメスの性差が大きい動物である。また、ヒヒという和名は伝説上の動物狒々にちなむ。」

「ガゼルと言えば、ウシ科ブラックバック亜科ブラックバック族ブラックバック亜族の3属、ガゼル属・トムソンガゼル属・ダマガゼル属の総称である。」

「イボイノシシと言えば、哺乳網ウシ目（偶蹄目）イノシシ科イボイノシシ属に分類される偶蹄類である。」

「子供の頃から野生動物を紹介する番組に夢中になっていた方にとっては、まさに天国のような場所ですよ。」
「そうなんだ。」

「悲しい事に、高値で取引できる動物を狙って密猟が行われていたり、スーダンからの難民が流入するなどの問題から、1997年に危機遺産に登録されていますよ。」
「残念ですね。」

「このような話を聞くと、何とかしたい気持ちがわいてくるでしょう。」
「そうですね。」

「実際に中央アフリカに足を運び、素晴らしい世界遺産を見てもらいたいと思います。」
「わかりました。」

アフリカ中央部の世界遺産～モーリタニアのバン・ダルガン国立公園～

「モーリタニアは、アフリカ西部に位置する、アフリカ連合とアラブ連盟に加盟するアラビア語圏の共和国ですね。」
「はい。」

「アラブ連盟と言えば、アラブ世界の政治的な地域協力機構である。第二次世界大戦末期の1945年3月22日創設。本部はカイロにある。加盟は22（21カ国と1機構）。現在の連盟事務局長はエジプト前外相のナビール・エル＝アラビー。参加各国の代表からなる理事会が最高決定機関で、その下に実行機関である事務総局や常任委員会、共同防衛理事会、社会経済理事会、ほか専門の諸機関がある。」

「モーリタニアには、2つの世界遺産が存在しますよ。」
「はい。」

「一つは文化遺産に登録されているウアダン、シンゲッティ、ティシット、ウアラタの古いクスール、もう一つは自然遺産に登録されているバン・ダルガン国立公園ですよ。」
「そうなんですか。」

「クスールと言えば、「ウアダン、シンゲッティ、ティシット、ウアラタの古いクスール」は、モーリタニアの世界遺産の一つである。クスール（単数形はクサール）は、中世にキャラバンが立ち寄った交易地に形成された独特の集落で、登録対象となった4つの町は、その古い街並みがよく保存されていることが評価された。」

「ウアラタと言えば、モーリタニア南東部の町である。マンデ人やソナンケ人に近い農耕・牧畜民が最初に町を作ったと考えられている。彼らはモーリタニアのタガン高地 (Tagant) の断崖やティシット＝ウアラタの切り立った岬に沿って暮らしていた。その地で、彼らはアフリカ大陸最古となる石造建築物を立てていた。」

「ティシットと言えば、モーリタニア東部のタガン高地 (Tagant) の麓にある町である。建造されたのは1150年頃のことであり、独自の建築様式で知られる。現在のティシットの主産業はナツメヤシの栽培である。町には博物館もある。」

「シンゲッティと言えば、モーリタニア北部の、クサールと呼ばれる古い交易拠点の一つである。アドラール台地にあり、アタールの北に位置する。13世紀にサハラ交易ルート上の拠点として建造されたこの小さな町は、エキゾチックな風景や歴史ある手稿の宝庫に驚嘆する人々を惹きつけ続けてきた。しかし、近年は砂漠の侵食に深刻に脅かされており、高い砂丘が西部の境界を形成し、いくつかの家は打ち寄せる砂に呑みこまれた。」

「ウアダンと言えば、モーリタニア北西にある町である。アドラール台地に位置し、シンゲッティの北東に当たる。1147年に創建され、ほどなくキャラバンの交易の拠点となった。1487年にはポルトガルの貿易拠点が置かれたが、16世紀以降町は没落した。」

「バン・ダルガン国立公園は、モーリタニア西岸に位置する12000平方キロメートルの国立公園ですよ。」
「はい。」

「ティミリス岬を中心として広がる一帯が、世界遺産に認定されていますよ。」
「はい。」

「ティミリス岬と言えば、バン・ダルガン国立公園は、ヌアクショットとヌアディブの間に位置する、モーリタニア西岸の国立公園である。ティミリス岬を中心とする12000平方kmの国立公園で、面積のおよそ半分は海域である。沖合いには暖流と寒流がぶつかる潮目があるため、魚が多く集まり、それを目当てとする鳥類や海棲哺乳類も多く集まる。」

「その面積のおよそ半分は、海洋となっていますよ。」
「そうなんだ。」

「沖合では暖流と寒流がぶつかり潮目が生じる事で、多くの魚や海洋哺乳類が集まりますよ。」
「はい。」

「一帯はサハラ砂漠から流出した砂によって形成される遠浅の地形ですね。」
「はい。」

「1日2回の引き潮の際には、海底に太陽光が注がれますよ。」
「そうなんですか。」

「豊かな環境に、大量のプランクトンや海藻類が繁殖し、そこへ小魚たちが集まるという環境を形成しますよ。」
「はい。」

「点在する島々は、河口から流れ出した肥沃な砂が堆積していますよ。」
「はい。」

「多くの種類の渡り鳥が、1年を通して訪れるスポットとなっていますよ。」
「そうなんですか。」

「これらの多様な生物の生育環境から、世界遺産へ登録されましたよ。」
「なるほど。」

「特に注目すべきは、その豊富な種類で知られる渡り鳥ですね。」
「はい。」

「モモイロペリカン、オオフラミンゴ、シロペリカン、クロアジサシ、オオソリハシシギ、ダイゼンなど、この地に飛来する渡り鳥の数は、年間を通じておよそ700万羽とも言われる、野鳥の楽園となっていますよ。」
「多いですね。」

「ダイゼンと言えば、動物界脊椎動物門鳥網チドリ目チドリ科ムナグロ属に分類される鳥である。」

「オオソリハシシギと言えば、チドリ目シギ科に分類される鳥類の一種である。和名の由来は、大きく反り返ったクチバシからです。」

「クロアジサシと言えば、チドリ目カモメ科（アジサシ科に分類する説もある）に分類される鳥類の一種である。名前どおり黒褐色の羽毛が特徴である。」

「シロペリカンと言えば、ペリカン目ペリカン科の鳥で、全長127～178cmです。多くは北アメリカの湖沼で繁殖し、メキシコ湾岸で越冬します。主に水辺に生息し、魚を捕って食べます。群れで翼で水をたたいて魚を追い込んで漁をします。」

「オオフラミンゴと言えば、フラミンゴ目フラミンゴ科に分類される鳥類の一種である。フラミンゴ科の鳥の中で最も広く分布している種である。別名はヨーロッパフラミンゴ。」

「モモイロペリカンと言えば、ペリカン目ペリカン科に分類される鳥類の一種である。名前の由来は、繁殖期に体色が桃色になることによる。通常はほぼ白色である。」

「遠くはシベリアから飛来する種類もいますよ。」
「そんなに遠くからですか？。」

「およそ300万羽がこの地で越冬しますよ。」
「はい。」

「11月～3月が最も多くの種類の野鳥を観察出来る観光のベストシーズンと言えますね。」
「そうなんですか。」

「公園内には、500人ほどの先住民族が今も居住していますよ。」
「はい。」

「イルカの習性を巧みに利用したボラ漁で生計を立てているイムラゲン人ですよ。」
「はい。」

「イムラゲン人と言えば、バン・ダルガン国立公園内には1000人ほどの先住民族イムラゲン人（英語版）が住んでおり、彼らはイルカの習性をうまく利用した伝統的なボラ漁を営んでいる。」

「ボラ漁と言えば、ボラ漁は、群れを磯に追込み捕獲する漁法で、村人総出で行なわれました。漁は、海を赤く染めるボラの大群を見つけることから始まります。数カ所あった見張り小屋は「魚見小屋（うおみごや）」と呼ばれ、見晴らしの良い乗口（のりぐち）の魚見小屋が今も残ります。」

「野鳥たちの保護区であるため、イムラゲン人以外の一般人の公園内への立ち入りは認められていませんよ。」
「そうなんですか。」

「観光はもっぱらエンジンの付いていない船で行われますよ。」
「はい。」

「モーリタニア本土は、砂漠化が深刻な問題となっていますね。」
「そうなんですか。」

「しかし、豊かで美しい海洋と多くの野鳥たちの楽園となっている公園は、生命力がみなぎり、鳥類以外にも多くの魚類や海洋哺乳類に出会う事が出来ますよ。」
「はい。」

「国外からのアクセスの便が便利ではない事もあり、その保護環境は実に良好ですね。」
「それは良かったですね。」

「のんびりとした船旅で、美しい生き物たちとの対面を楽しむ事が出来ますよ。」
「そうですね。」

アフリカ中央部の世界遺産～モーリタニアのウアダン、シンゲッティ、ティシット、ウアラタの古いクスール～

「モーリタニアは、アフリカ大陸北西部に位置するイスラム教の国ですよ。」
「はい。」

「モーリタニアは、日本がマダコを輸入する国で上位にランキングされていますよ。」
「そうなんですか。」

「マダコと言えば、タコ目・マダコ科に属するタコの一種である。世界各地の熱帯・温帯海域に広く分布し、日本では一般にタコといえば本種を指すことが多い。」

「北方からの交易路の要所で、古くから中継貿易で栄えてきましたよ。」
「はい。」

「イスラム教徒にとって、大切なメッカ巡礼の出発点となっていますよ。」
「そうなんだ。」

「11世紀頃にイスラム貿易商のオアシスとして、ウアダン、シンゲッティ、ティシット、ウアラタなどの古いクスールが建設されましたね。」
「はい。」

「クスールとは、オアシスの住民が作る伝統的な集落ですよ。」
「そうなんだ。」

「中心にイスラム教の礼拝施設であるモスクが建設され、その周囲に家や倉庫が配置され、全体が城壁で囲まれていますよ。」
「はい。」

「防御の観点から、山に建設されるクスールもあったようですね。」
「はい。」

「クスールの建材は、日干しレンガですよ。」
「そうなんですか。」

「サハラ砂漠に近いこの地域は、降水が非常に少ないため、雨による侵食を受けにくいのですね。」
「はい。」

「ごく稀に、石が用いられる事もありますよ。」
「はい。」

「しかし、ほとんどは日干しレンガの厚い壁で囲まれた建物となっていますよ。」
「なるほど。」

「砂塵や砂漠の拡大による侵食の恐れはありますね。」
「はい。」

「モーリタニアのものはそれらを防ぎ、古い街並が1000年近く経った今でも残っていますよ。」
「そんなに古くからあるのですか？。」

「ウアダンなどの4つの街は、12世紀から16世紀にかけて栄え、サハラ地域のイスラム文化の中心となっていましたよ。」
「はい。」

「15世紀にはヨーロッパの貿易の拠点ともされましたよ。」
「はい。」

「16世紀以降は交易路が変わったため、衰退していきましたよ。」
「そうなんですか。」

「黒人の王国であったガーナ王国が滅亡し、アラブ系の民族であるベルベル人の支配が500年以上に渡って続いた事も、街が衰退していった原因と考えられますね。」
「そうなんだ。」

「ベルベル人と言えば、北アフリカ（マグレブ）の広い地域に古くから住み、アフロ・アジア語族のベルベル諸語を母語とする人々の総称である。北アフリカ諸国でアラブ人が多数を占めるようになった現在も一定の人口をもち、文化的な独自性を維持する先住民族である。形質的にはコーカソイドで、宗教はイスラム教を信じる。」

「ガーナ王国と言えば、ガーナ王国 (Ghana) 、もしくはガーナ帝国は、8世紀（4世紀頃とも）から11世紀（13世紀とも）にかけて、サハラ越えの金と岩塩の隊商貿易の中継地として繁栄した黒人王国である。」

「シンゲッティは、メッカ巡礼の聖地とされていますよ。」
「はい。」

「イスラム文化史でも西アフリカの歴史でも、重要な都市となっていますよ。」
「そうなんですか。」

「四角いミナレットを持つ石造のモスクがあり、現在でもモーリタニアの国の象徴ともなっていますよ。」
「はい。」

「ミナレットと言えば、モスクに付随し、礼拝時刻の告知（アザーン）を行うのに使われる塔である。ミナレットはトルコ語のミナレ (Minare) に由来する西欧諸言語による名称で、アラビア語ではマナール (manar) あるいはマナーラ (manara) といい、光（ヌール）と同一語根の語であることから光塔と訳されることもある。南アジアではミーナール (minar) とも呼ばれる。」

「内陸部の都市であるにも関わらず、近年発見された海底油田にその名が付けられているほどですよ。」
「そうなんですか。」

「現在、地球温暖化と共に砂漠の拡大が懸念されていますよ。」
「はい。」

「これらの世界遺産も、徐々に砂に埋もれて行っていますよ。」
「心配ですね。」

「シンゲッティには、膨大な書物を収めた図書館がありますよ。」
「はい。」

「しかし、砂に埋もれていっていますよ。」
「本当ですか？。」

「街も徐々に砂にまみれていますよ。」
「そうなんですか。」

「現在のところ、1996年にクスールが世界遺産の文化遺産に登録されており、危機遺産に登録されてはいませんよ。」
「良かったですね。」

「今後、砂漠の拡大により遺跡の保存が困難になる事が予想されていますよ。」
「それは心配ですね。」

モロッコの世界遺産や観光地～フェズ旧市街・マラケシュ旧市街・アイット＝ベン＝ハドゥの集落・古都メクネス・ヴォルビリスの古代遺跡・テトゥアン旧市街(旧名ティタウィン)・エッサウィラのメディナ(旧名モガドール)・マサガン(アル・ジャディーダ)のポルトガル都市～

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